「
中山記念・G2」(24日、中山)
昨年のジャパンC3着以来となる
スワーヴリチャードが20日、好仕上がりをアピール。久々を感じさせない動きで、霧に包まれた栗東CWを軽快に駆け抜けた。また、昨年の
香港C2着以来となる
ディアドラも、主戦のルメールを背に栗東坂路でシャープな伸び脚を披露。ともにドバイ遠征を控えているだけに、ここで好発進といきたいところだ。
庄野師が「大事な一戦」と位置づける今季初戦。その熱い思いに応えるように、昨年の
大阪杯覇者
スワーヴリチャードが栗東CWで躍動した。
向正面で僚馬
ドンアルゴス(4歳1000万下)を3馬身追走し、深い霧に包まれた3角へ。直線で再び姿を現すと、インから馬なりの手応えで並び掛ける。追えばいつでもとらえられるが、鞍上の手綱は持ったまま。余力十分に併入し、6F83秒3-38秒4-12秒0をマークした。
感触を確かめた久保淳助手は「けさは折り合い重視で。動きは良かった。調教では手前の変えもスムーズなんだ」と霧中の様子も含めて合格点を与える。動きを見守った庄野師も「やり過ぎずに、楽な手応えでしまい12秒0。走りたい気持ちが出てきたと思います」と力強くうなずいた。
振り返れば、昨年の
天皇賞・秋(10着)の頃は「割と乗りやすくなっていて“大人になったのかな”と思っていた」とトレーナー。だが、今の
リチャードこそが本当の姿。「しっかりと休養したことで、いい形でレースに臨める。以前のような活気がある。いい意味で“らしさ”が出てきた」。
有馬記念をパスしたことが奏功。王者の風格を取り戻した。
夢は世界へ。視線の先にはドバイ遠征を見据えているが、指揮官は「その
ステップとは思っていない。何とかクリアして好発進を」と復帰戦から気合十分だ。休み明けの上、良績を欠く中山芝、斤量58キロ…決して条件は楽ではない。それでも、やる気に満ちた今の
リチャードなら、あっさり克服しても不思議はないだろう。
提供:デイリースポーツ