出走馬11頭中5頭がG1ホースとハイレベルなメンバーが揃った今年の
中山記念。開幕週と週末の雨の影響で例年に引き続き非常に難解なレースが予想される。昨年の覇者で
中山金杯を斤量58キロで制した
ウインブライトがG1馬5頭に対してどのようなレースを見せるのか。また、
ディアドラの2019年初戦、
スワーヴリチャードのゲート、
ステルヴィオの丸山騎手への乗り替わり、昨年のクラシック路線で活躍組の
エポカドーロと
ラッキーライラックの復活あるのか。今年も見所満載のレースとなるだろう。
データ面で過去10年を見ると4歳馬が4勝し、5歳馬が3勝。そして、6歳馬が2勝、7歳以上が1勝と連対率、勝ち星では圧倒的に4,5歳馬が優勢のレース。さらに、7歳以上だと(1-1-3-31)と出走36頭で連に絡んだのが僅かの2頭。今年は11頭中、7歳以上は4頭出走するが、データ上では非常に厳しい数字となっている。
また、近7年では1番人気が(1-0-0-6)と2016年の
ドゥラメンテを除いては全て期待を裏切っており、2番人気と3番人気がそれぞれ3勝と3番人気以内が全て勝利。1番人気の馬にとっては非常に相性の悪いレースとなっている。ちなみに、昨年は
マイルCSを勝利した
ペルシアンナイトが5着に。2017年は
アンビシャスが4着に敗れている。
では、今年はどうだろうか。おそらく1番人気に支持されるのは
ディアドラであろう。前走の
香港カップは日本勢の意地を見せる2着。その後
エリザベス女王杯を勝利した
リスグラシューを
府中牝馬Sで破り、得意の1800-2000mにおいて実はデビュー後、日本では一度も先着を許していない。今回は海外帰りで体調面こそ心配されるが追い切りを見る限りでは全く問題なさそう。頭数が少なく、斤量54キロのここで大きく崩れるとは考えにくい。現時点において、軸最有力候補の1頭と言っても過言ではない。よほど極端な枠や展開にならない限り、馬券圏内を外す可能性は低いはずだ。
一方で、昨年の
大阪杯を制したG1馬
スワーヴリチャードに関しては不安が残る。前走は高速決着にも対応する3着であったが、今回は斤量58キロと3ヶ月の休養明け。
大阪杯こそ弱点を最大限に抑える競馬で右回りをこなしたが、理想は左回りのレースだろう。さらに、ゲートにも不安が残るので絶対視しづらいタイプ。距離短縮のここは大きなミスが出来ない。先行勢有利の展開濃厚のここは余程Mデムーロ騎手が上手く乗らない限りは厳しい競馬となるだろう。
マルターズアポジーが連闘策のここは逃げ確実。ただし、2番手以降はスローペースに落ちる可能性が高いことを考慮すれば、先行馬有利の競馬になるはず。馬券の組み立て方としては、力のある馬を軸にし、相手に先行馬を絡めて三連単で絞って狙いたいところ。
皐月賞のような競馬のイメージが湧く
エポカドーロや自在性のある
ウインブライト、先行力のある
ラッキーライラックについては枠問わず必ず相手に取り上げる必要があるだろう。
最後に、オススメ馬、7歳以上の馬と地方馬の評価について。力関係を見ても
シベリアンスパーブと
トルークマクト、
マイネルサージュは厳しい。しかし、先週出遅れで連闘策の
マルターズアポジーには要注意である。昨年3着に踏ん張っているように、マークが薄くなり守備範囲内の1800mならば十分に残り目がある。先行勢が
ディアドラや
スワーヴリチャードなどの差し馬を過剰に意識し、その間に大逃げの形となれば脅威。今回唯一の穴馬候補と呼べる存在なので、オススメ馬の1頭として取り上げておきたい。ただし、昨年同様に何かに差されての2,3着のイメージなので、頭よりも三連単の相手、もしくは軸馬から1点のワイド辺りが狙い目。また、
ハッピーグリンは馬場と枠に恵まれた前走。やはりG1級のメンバー相手にはパンチ不足感があるので、ここは押さえる程度の予定である。
G1ホース5頭+
ウインブライト。その中でどの馬を軸にするのか。それが今回最もキーポイントになる。ここは枠や当日の天候、馬場などを考慮した上で最終的な◎の判断を下したいところである。(文=倉本匠馬)
Vポジションの使者・倉本匠馬が
中山記念と
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