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2歳女王始動 ファンタジー「ダノン」の勢いで「鬼に金棒」状態/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年02月27日(水) 18時00分
 騎手や厩舎と同様、オーナーにも「勢い」というものがある。記憶に新しいところでは、冠号「サトノ」でおなじみの里見治オーナー(現在の名義はサトミホースカンパニー)が見せた2016年の快進撃。それまでなかなかGIを勝てなかったのに、菊花賞サトノダイヤモンドで悲願を達成すると、香港ヴァーズ(サトノクラウン)、朝日杯FS(サトノアレス)、有馬記念(サトノダイヤモンド)と突如、昇り竜のようにGIを勝ちまくった。

 今年、勢いに乗っているオーナーといえば、冠号ダノンで知られる「ダノックス」だろう。シルクロードSダノンスマッシュで勝ったのを皮切りに、きさらぎ賞(ダノンチェイサー)、共同通信杯(ダノンキングリー)と、年明けからすでに重賞3勝を挙げている。

「ウチのダノンシャンティがオーナーにとってのGI初勝利(10年NHKマイルC)だったんです。祝勝会をした時に“もうやめようと思ったこともあったんだ”とおっしゃっていましたから、かつては苦労されたことも多かったんだと思います」と教えてくれたのは松田調教師。

 いいときもあれば、悪いときもある――。これこそが勝負事の流れ。今、いい流れがきている「ダノックス」に今週も乗らない手はない…。といっても、この馬にとってはツキの助けなどいらないかもしれない。GIIチューリップ賞(3月2日=阪神芝外1600メートル)に出走する昨年の最優秀2歳牝馬ダノンファンタジーのことだ。

「体が大きく増えたとか、そういう目に見えた成長こそないですが、まだまだ伸びシロを感じる馬ですね。前走(阪神JF1着)にしても、クリスチャン(デムーロ)が余裕を持って競馬をしてくれました。それだけ自信があったということでしょう。久々でも、牝馬らしいテンションの持ち主で、競馬に行けば真面目に走ってくれますから。今回も持っている力はしっかり出してくれると思います」とは猿橋助手。

 当然、「ダノックス」の快進撃も意識しており、「すごいですよね。オーナーの流れにも乗っていきたいですね」

 高松宮記念ダノンスマッシュ桜花賞ダノンファンタジー皐月賞ダノンキングリーNHKマイルCダノンチェイサー。これだけでもすごいが、古馬王道路線では次週の金鯱賞ダノンプレミアムが復帰予定。この豪華ラインアップが順調に駒を進めていけば…。春のGI戦線は空前の“ダノン祭り”になるかもしれない。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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