「
チューリップ賞・G2」(2日、阪神)
“フジカン”にいきなり重賞Vのチャンスが巡ってきた。オーストラリアを主戦場にしてきた“逆輸入ジョッキー”の藤井勘一郎騎手(35)=栗東・フリー=が、土曜阪神メインの
チューリップ賞で
ブランノワールに騎乗する。JRAでの重賞初騎乗は、前走の
エルフィンSで2着と好走している素質馬とのコンビ。世界13カ国での騎乗経験を持つ猛者が、JRAデビュー初日から存在感をアピールする。
「JRAに入るのはひとつの目標だったけど、そこがゴールじゃない。自分をアピールしていきたい」-。6度目の受験で念願のJRA騎手免許を射止めた藤井勘は合格当時、そうコメントしていたが、早くも大きなチャンスをつかんだ。
コンビを組む
ブランノワールは、12年
阪神JF馬
ローブティサージュの半妹。血統背景からも、十分にVへの可能性を感じさせる素質馬だ。「追い切りの動きも良かったし、こういう機会を与えて頂いて感謝しています。重賞で相手はそろいますが、結果を求められていると思いますから頑張りたいです」。自身の重賞初Vとともに、パートナーの
桜花賞への優先出走権獲りへ張り切る。
これまでJRAでの騎乗は札幌のみ。もちろん阪神コースは初めてになるが、不安視する必要はない。なぜなら、ステッキ一本で世界13カ国を渡り歩いてきた経験があるからだ。“気後れ”などという文字は、フジカンに存在するはずがない。「勝ちたいと思ったら空回りするのが競馬ですからね。自然体で冷静に乗りたい。自分のできることに集中するだけです」。豊富な経験に裏打ちされたコメントが実に頼もしい。
「いつかJRAの馬で、オーストラリアなど海外のレースを勝ちたい」。ドデカい夢をブチ上げるが、「まずは基礎を固めて、信頼を集めていきたい」と前を向く。浮かれることはない。しっかりと地に足を付け、確実に
ステップアップを図っていくつもりだ。
提供:デイリースポーツ