19年度合格組から、栗東でただひとり厩舎開業を迎える
長谷川浩大調教師(35)。騎手としてJRA通算213勝(重賞3勝)を挙げて12年9月に引退。その後は、かつて所属していた中村厩舎の助手として腕を振るい、4度目の受験となった昨年12月、念願の調教師試験に合格した。
「中村先生が道を示してくれて、調教師を志しました」と長谷川師。師匠のひたむきな姿に、騎手への未練、引退の後悔を断ち切り、新たな道へと進む決心がついたという。
「びっくりするぐらいアッと言う間でした」。合格から3カ月もたたないスピード開業に笑顔をのぞかせる。「いろんな馬主さんに支えてもらって、ファンの方々に応援してもらえる厩舎にしたい。人と人とのつながりがあってこそ。把握できている馬ばかりやらせてもらえるのはありがたい」。師匠から引き継ぐ厩舎の重みに、表情を引き締める。
「つかまっていただけ。中村先生に勝たせてもらったようなものです」。ジョッキー時代は初騎乗初勝利の離れ業を演じ、いきなり輝きを放った。“デビュー週”に縁があるのか、調教師として迎える今回も、開業2日目に早くも重賞挑戦。オーシャンSに
ナインテイルズを送り込む。追い切りにも騎乗し、「動きが良かった。ためる競馬で」と意気込む。同期の
石橋脩を鞍上に迎え、史上最速の重賞Vを狙う。(デイリースポーツ・井上達也)
提供:デイリースポーツ