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2番手で流れに乗ったグリムがダートグレード3勝目/名古屋大賞典回顧(斎藤修)

  • 2019年03月15日(金) 18時00分
 前日のダイオライト記念チュウワウィザードが圧勝し、この名古屋大賞典では馬連複1.7倍と人気を集めたグリム、ヒラボクラターシュのワンツー。昨年のチャンピオンズCを勝ったルヴァンスレーヴ東京大賞典を制したオメガパフュームを頂点に、4歳世代の勢いはとどまるところを知らない。

 実績的にも中央5頭に兵庫のマイタイザンがどこまで食い下がれるかというメンバー。これら6頭、いずれも逃げ先行タイプばかりが揃った。

 まずはマイタイザンに触れておきたい。相手が強くても、これまでのレースぶりから、おそらくマイタイザンが行くだろうと思って見ていたが、そのとおり。大外枠のグリムがぴたりと外の2番手につけて、ヒラボクラターシュマイタイザンの直後でマークするような形。アナザートゥルースキクノルアも続いた。

 中央勢にしてみれば、マイタイザンはそれほどマークをするような相手ではなかったはずだが、勝負どころで馬群が凝縮したあたりでは、まるでマイタイザン包囲網のような形になった。先行馬ばかりが揃ったので、それも当然のこと。マイタイザンは、それで後退してしまうかと見ていたが、直線を向いたところまでは先頭で粘っていた。結果、中央勢上位独占の中に食い込む4着。陣営が満足しているかどうかはわからないが、2歳時以来のダートグレード挑戦ということを考えれば、褒められる内容だろう。圧勝した梅見月杯より走破タイムはコンマ8秒詰めていて、能力は出し切った。今回は不運なことに先行馬ばかりが揃ってしまったが、もう少しメンバーの軽いJpnIIIで、マイペースの逃げに持ち込めるようなら、いずれチャンスはありそうだ。

 直線を向いて先頭に立ったグリムに、追いすがったヒラボクラターシュだが、最後までその差は詰まらず、1馬身半差での決着。明暗は、枠順と位置取りにあった。

 大外枠から2番手の外で、他馬にまったく邪魔されることなくスムーズにレースが運べたグリムに対して、ヒラボクラターシュは4コーナーを回るところで進路を見い出せなかった。逃げたマイタイザンがなかなかバテず、外からはアナザートゥルースにぴたりとフタされてしまった。マイタイザンとグリムの間にようやく進路が開けたのは直線半ばで、時すでに遅し。最後は同じ脚色になってしまった。1、2着の4歳馬2頭に能力の差はない。

 アナザートゥルーステルペリオンキクノルアの3頭は、重賞初挑戦で地方も初めて。その中でアナザートゥルースは、ヒラボクラターシュとほぼ併走する形で外目を追走し、うまく流れに乗っていた。中央5頭はほとんど行ったままの順でゴール。1、2着馬は斤量を1kg余分に背負っていたことを考えても能力的に一枚上手で、あとの3頭は地方のダートと小回りコースに対応できたかできないかの差ではなかったか。特にテルペリオンは、陣営から「小回りの交流レースを使いたいタイプ」というコメントが出ていたわりには、追走に苦労している感じだった。名古屋コースが合わなかったか、もしくは体調が万全ではなかったか。

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