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多くの陣営がダービーを見据えた戦いをするなかで…ファンタジスト究極仕上げ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年04月10日(水) 18時15分
 皐月賞が微妙に軽視されるようになったのはいつからだろうか? 松田国英調教師が、馬場が悪くトリッキーな中山を嫌い、NHKマイルC日本ダービーという、いわゆる「マツクニローテ」を生み出したことが大きなきっかけになったような…。とにもかくにも、皐月賞をパスしてダービーに向かう、休み明けで皐月賞を叩く…。そういうケースが増えてきた現状だからこそ、ここにメイチの勝負をかける馬に食指が動く。ファンタジストだ。

「さすがに2400メートルは長いと思うし、ダービーはどうかな。ただ前走(スプリングS2着)の内容を見ると、2000メートルまでなら十分に持つ。だから今度は目一杯に仕上げていくよ」

 梅田調教師からは、ここにかける熱い気持ちが伝わってくる。この後にはNHKマイルCという選択肢もあるが、「中2週で間隔が短いから」とトレーナーが描くメイン構想からはすでに外れている。つまり皐月賞でこの春最大の仕上げを施すつもりなのだ。

 以前にも触れさせてもらったことだが、短期間での馬体重の増加がファンタジストの成長の証し。昨年7月のデビューが448キロで、前走が484キロ。8か月の間に実に36キロもボリュームアップした。「デビュー時はヒョロッとしていたのに、今では別馬のよう。ボディービルダーみたいにマッチョになっている」とは担当のとぎ屋助手だ。

 普段、梅田キュウ舎の調教は坂路1本なのだが、ファンタジストはそれだけではエネルギーを発散できないため、ダート(Eコース)を周回してから坂路で乗られている。こういう“追加メニュー”を採用している馬は、梅田キュウ舎ではほかにレッツゴードンキだけなのだとか。

 距離が長いと思われて、実績の割に人気は低いだろうが、3ハロン通過38秒0という超スローにひっかかる馬が続出した昨年の京王杯2歳Sでも、上手に折り合って好位から抜け出した操縦性の高さがあり、スプリングSにしても、じっくり脚をためて最速上がりでのアタマ差2着とこれまでにない形で結果を出した。

「賞金は持っている馬だから、前走は“絶対勝たないと”っていうレースではなかった。たぶん(武)豊さんは本番に向けて脚を測ってくれたんだと思います。この馬にずっと豊さんが乗り続けてくれているのはすごく心強いです」とファンタジストの追い切りをつける前原助手は、大一番での名手の手腕に大きな期待を寄せている。

 多くの陣営がダービーに含みを持たせた仕上げ、乗り方をしてくるであろう中、究極仕上げで臨むファンタジストが激走して、好配当をゲット。“夢想家”になった坂路野郎は勝手にそんな皮算用をしている。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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