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皐月賞・G1」(14日、中山)
降りしきる雨をものともせずにはじけた。
ヴェロックスの最終リハは10日、川田を背に栗東芝で併せ馬。ラスト1Fは11秒2と、シャープな伸びで3馬身半先着し、好仕上がりを伝えた。重賞こそ未勝利だが、
皐月賞と同じ2000メートル戦では2戦2勝。8馬身差Vの圧巻デビューを飾った大器が、一気に牡馬クラシック制覇を成し遂げる。
雨に煙る栗東トレセンを、
ヴェロックスが素早い動きで切り裂いた。川田を背に、馬場状態を考慮して栗東芝へ。
ピンクブロッサム(3歳未勝利)の3馬身後方から発進すると、序盤は折り合い重視。直線半ばで瞬時にギアを上げてパートナーをとらえ、並ぶ間もなく突き放した。全身を弾ませ、刻んだタイムは6F86秒9-37秒4-11秒2。難なく3馬身半先着を決めた。
鞍上の表情に手応えの良さがにじむ。「馬の状態を確かめながら、しまいは僕の感覚でやる、やらないを決めてほしいということでした。すごくいい感じで走れたし、4コーナー手前からさらにリズムも良くなりました。いい内容で走れていましたね」と合格点を与える。「前走はそんなにいい状態ではなかったですし、良くなっているのは期待通り」と力強くうなずいた。
もともと最終リハに川田が騎乗する予定はなかったが、猿橋助手が「状態はいいし、自信を持って乗ってもらいたかったので」と話すように、いいイメージで本番に臨んでもらうための確認作業でもあった。8キロ減って482キロだった前走時馬体重も、中間は490キロまで回復。「
シルエットがシャープで減った増えたが分かりにくいですが、カイ食いも落ちてないし、変わらず増えているのはいい」と同助手は好気配をアピールした。
最大の難敵は3戦3勝のG1馬
サートゥルナーリアだろう。鞍上も「ラ
イバルというのも失礼なくらい、1頭抜けています」と認める。「それにチャレンジする立場。向かって行くのは簡単ではないですが、何とか精いっぱいの競馬をしたい」と気を引き締めた。
昨年は僚馬
ダノンプレミアムが挫石により無念の回避。今回は再び訪れたクラシック制覇の好機だ。現在、騎手、調教師で全国リーディングトップを快走する川田&中内田師の強力タッグが、G1初挑戦となる未完の大器とともに、同世代の強敵を打ち破る。
提供:デイリースポーツ