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流行のぶっつけにない強み TR弥生賞4着に見えたデイジーの軍略/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年04月11日(木) 18時05分
 常識とは都合のいい思い込みにすぎないのか。そう思わせるのが昨今のメジャーリーグだ。かつて小技を駆使した2番に座るのは、今やアーロン・ジャッジ、マイク・トラウトといったリーグを代表する強打者。そこに求めるのはチャンスメイクでなく、ズバリ得点力である。

 そして今、日本の競馬も同様のスタイルが確立されようとしている。昨年の3冠牝馬アーモンドアイトライアルすべて非出走。菊花賞を制したフィエールマンは3か月半ぶり、そして先週の桜花賞グランアレグリアが史上最長ローテ(中111日)で制した。メジャーリーグが「2番最強打者説」なら、中央競馬は「ぶっつけ出走最強説」。共通するのは、無駄なステップを排した即効性に他ならない。

 その意味で、今週のGI皐月賞も象徴的ではあろう。3戦無敗のサートゥルナーリアはGIホープフルS(1着)以来3か月半ぶり。人気でこれに続くダノンキングリーアドマイヤマーズ共同通信杯以来2か月ぶり。いずれもトライアルというステップを踏まずに本番へ駒を進めてきた。むろんトレンドに倣えば、この3頭で決まる可能性も低くないのだが…。

 穴党が着目するなら、むしろメジャーでなく日本の野球スタイルかもしれない。野村克也氏いわく「弱者の兵法」。TR弥生賞4着から挑むニシノデイジーの姿に、強者に勝つために模索した軍器、軍略を感じるのも事実である。

「道悪は合いそうなイメージだったのに、弥生賞(重馬場)は案外でしたね。頭の高い走りは馬場を気にしたようでもあり、ハミの取り方も本来のものではなかった。結果、タメが利かないまま終わってしまいましたから」

 これは高木登調教師の前走の敗因分析。弥生賞は折り合い面を考慮して、ハミをトライアビットに替えて挑んだが結果は激しく裏目に。1番人気を裏切ったが、これが本番でなかったのは不幸中の幸いだろう。

「今回は普通のハミに戻して、シャドーロールを装着する予定。以前に比べて乗りやすくなっているし、何よりこの中間は動きが変わってきた。以前は一杯に追って出た数字(5ハロン67秒)が馬なりで出ているように、トモの状態も含めて前走を叩いてパワーアップしているのは確かです」

 GIホープフルSは後手に回り、追い出しが遅れる形でサートゥルナーリアと0秒3差3着。その着差を埋めるため試行錯誤した経緯こそズバリ「弱者の兵法」である。TRが“犠打”ならば、その敗戦がチャンスメイクとなると見るのだが、果たして結果は?

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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