昨年は
凱旋門賞へチャレンジした
クリンチャー。世界の壁は厚かったのですが、そこで得たものもあったはずです。ただ、本来は夏はあまり強くないタイプの馬であるのに、スケジュールの都合上、結構暑い時期も頑張っていました。帰国後の
有馬記念の前は2週間くらい前のほうが馬体がいいかんじで、レース直前は正直寂しくうつりました…。見えない疲れがあったのかな?と察しました。
でも、今年は違います。緒戦の
日経賞では7着とふるいませんでしたが、本来“叩き良化”ですからね。ひと叩きされたことで馬体もグーン!と良くなったように見受けます。
この中間の調整もマイペース。担当の長谷川助手によれば、
「このところ、水曜日は馬場も悪かったし、速い時計を出すことよりも
クリンチャーのリズムを大事にしながら調整してきました」とのことでした。
今度は昨年の暮れとは違い、レースが近づくにつれてどんどん良くなっているように映ります。
「競馬を使われて状態は良くなっていますね」と笑顔の長谷川助手。
宮本師も「
日経賞を使って格段に良くなっている」とかなり手ごたえを感じているようでした。
栗東もだいぶ暖かくなってきて陽射しも結構強いのですが、真夏の暑さと比べたら可愛いもの。これなら昨年春のような
クリンチャーらしい仕上がりを期待できるのではないでしょうか。
(取材・文:花岡貴子)