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ヴィクトリアマイル・G1」(12日、東京)
波乱の幕切れとなった先週のNHKマイルC。今週は同じ舞台で、古馬牝馬が春の女王の座をかけて激突する。データ的には唯一、V条件を全てクリアした
ラッキーライラックに注目。昨年は天敵
アーモンドアイに辛酸をなめさせられ続けてきたが、デビューから4連勝を飾り、17年の最優秀2歳牝馬にもなった能力の持ち主。前走は内で包まれて不完全燃焼の一戦。大一番で完全復活を目指す。
再び女王の座へ-。一昨年の2歳女王
ラッキーライラックが、反撃態勢を整えている。
昨年のクラシック戦線では、女傑
アーモンドアイの前に
桜花賞2着、
オークス3着、そして
秋華賞も9着という、三度の屈辱を味わった。それでも迎えた今年初戦の
中山記念では、のちにクイーンエリザベス2世C・香港G1を制する
ウインブライトの2着に食い込み、復活への確かな光りが差し込んできた。
前走の阪神牝馬Sで8着と急ブレーキがかかったものの、複合的にロスが生じる形で、参考外の一戦と割り切っていい。位置取りが悪くなってゴチャついた上に、進路を確保できない状況に追い込まれた。力を出し切った上での敗戦とは違う。
前走後は短期放牧でリフレッシュ。精神面を含めたダメージも残っていない。松永幹師は「(1週前リハは)馬の後ろで我慢させるケイコをした。動きは良かったし、順調に調整できている」とうなずくと、「(前走は)消化不良の競馬だったが、気持ちを切り替えて、と思っています。広いコースなら力を発揮できるでしょう」としっかり前を向いた。
東京のマイルは一昨年秋のアルテミスSを制して以来だが、いいイメージを持って臨める。左回りは〈2010〉で、マイルも〈4101〉。崩れたのは不運が重なった前走だけ。現時点では最も輝けるステージだ。“逆襲”を強く心に刻み込み、女王の座をもぎ取ってみせる。
提供:デイリースポーツ