オルフェーヴル産駒の
ラッキーライラックは、この血の影響か、結構細かいことを気にしてしまうところがありました。担当の丸内助手によれば、とくに3歳時はちょっとした日常の変化を気にする繊細さが目立っていたそうです。
「競馬開催のある土日は平日と比べて数時間早く調教が始まります。でも、夜飼いの時間は同じなんですよ。
ラッキーライラックは前日より早い時間から周囲がワサワサとしだすことを気にしていましたね。早朝に出勤してくる人が来たら、それを気にしてカイバを食べないとか。日曜の夜中に関東へ出張していた馬が帰ってきたりするとそれも気にしてしまうとか。そんな繊細なところがあったんです」
ところが。4歳になった
ラッキーライラックはそういったところが解消され、精神的にたくましくなったようです。
「最近は人がいてもムシャムシャ食べるようになりました。大人になっていい意味で図太くなりました。繊細な馬というのはなかなか太りにくいものですが、最近はしっかり食べれる分、体もしっかりしてきました」
馬体重だけ見ると昨年秋の
秋華賞でプラス18キロの510キロを記録し、最近はそのあたりを推移しています。でも、昨年秋は「日程的にギリギリ
秋華賞に間に合わせた」という仕上げ。充実度でいうと今年のほうが断然いいでしょう。
精神が大人になったことでより追い切りでもコントロールが効くようになったそうです。
「最近は“こんなに折り合うのか”というほど、道中のコントロールがつけやすくなりました」
前走8着ながらも人気を集めていますが、心身ともに充実している今の
ラッキーライラックなら当然かな、と感じています。
(取材・文:花岡貴子)