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【オークス】オークスを制した岸滋彦助手が送り出すノーワン「とにかく無事に」/ねぇさんのトレセン密着

  • 2019年05月18日(土) 20時10分
 わたしが競馬ファンから柵を超えてその中へ飛び込んだのは、忘れもしない1990年のことでした。今から思えば、向こう見ず極まりないのですが、若かったんですね。それまでやっていたIT系の仕事を全部辞めて、飛び込みました。

 そして、いちばん最初にインタビューしたのはその年にエイシンサニーオークスを制した岸滋彦騎手でした。岸さんは当時20歳。前年にサンドピアリスエリザベス女王杯を勝って初重賞、初GI勝ちをおさめた売り出し中の若手ジョッキーでしたが、案外寡黙で。ましてやこちらも取材に不慣れで勝手がわからず頭が真っ白だったことばかり覚えています。

 あれから30年。ノーワンを調教助手になった岸さんが担当していることは知っていたので、今日この到着取材がただただ待ち遠しくて!絶対に声を掛けようと心に決めて足を踏み入れたのであります。

 いよいよ18日午後。ノーワンが東京競馬場の出張馬房に到着。

 最初に「馬の写真を撮らせてください」とお願いしたんです。すると「ちょっと待ってて」と岸さん。こちらは体全体が写るに越したことはないけど、スナップ程度でも撮れれば助かる、くらいのスタンスで臨んだんです。にもかかわらず、岸さんは「はい」と、わざわざ馬の“立ち姿”の写真を撮りやすいように立たせてくれたんです。過去、出張馬房の到着取材はたくさんしてきましたけど、こんなこと初めてで。岸さんの生真面目さにびっくりさせられました。

 その後、お話をうかがったのですが、やはり饒舌ではないものの、淡々と愛馬を常に気にしながらお話をしてくれました。

「輸送も順調で、馬は落ちついていますよ。追い切りもいつも動くしカイバもよく食べてくれます。GIに出走できるというのはありがたいですよね。とにかく無事に走ってくれればと思っています」(岸滋彦助手)

 1990年5月20日、エイシンサニーを樫の女王に導いたジョッキーとは思えないほど謙虚で目立とうとしない岸さん。何かとノーワンの体調ばかりを気にしていて、馬房の後ろ扉を開けにいったり、表から馬の様子を見たり。ザ・職人そのものでした。

「僕がジョッキーだったことなんて、みんな覚えていないでしょう」という岸さん。

 いえいえ!多くのnetkeiba愛読者は絶対に覚えているはずですよ!!

 そのとき、たまたま隣で話を聞いていた方が

「僕だって知っていますよ!ダビスタで騎士さん(岸さんがモデルなんですよね)に乗ってもらいましたから!!」と話していましたが、ダビスタのジョッキーとして馴染みのある方もいるはずです!

 そして、最後方から最速の上がりで大本命馬アグネスフローラ(アグネスタキオンアグネスフライトの母です)を差し切ったあの姿は、ライブで見ていない世代にもぜひご覧いただきたいですね。

 ちなみに岸さんはあの30年前の取材の出来事を覚えていて下さいました。もう、ただただありがたいです。そんな生真面目な岸さんが送り出すノーワン。明日は30年分の感謝を込めて、絶対応援馬券を買います。

(取材・文:花岡貴子)

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