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乗り替わりのジンクスはたまたまじゃない/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年05月22日(水) 18時00分
「乗り替わりでは日本ダービーは勝てない」

 ずっと言われてきたジンクスだ。実際、1985年のシリウスシンボリを最後に、乗り替わりでダービーを勝った馬はいない。33年もの長期間、法則が破られていないことが、ダービーにある種の“神秘性”をもたらしている。

「決してたまたまではないと思うよ。ダービーともなれば、出走馬は全てギリギリまで仕上げてくるので、まさに紙一重の戦い。ちょっとしたことが命取りになる。ダービー前のレースは、そこに向けて脚を測ったりと確認することも少なくないし、癖を知った同じ騎手で臨むほうがいいのは間違いない」とは2013年のダービー馬キズナを管理していた佐々木調教師だ。

キズナで勝った時、ライバルとして一番恐れていたのはコディーノだった。でも、それまでずっと乗っていた横山典が(ウィリアムズに)乗り替わりになったでしょ。あれでこっちに分があるなと思った。直前でゴタゴタしてしまった印象。果たしてあれがいいほうに運ぶかなって」

 05年のディープインパクト以来となる、無敗の2冠(皐月賞&ダービー)を狙うサートゥルナーリアに見えるかすかな隙といえば、乗り替わりご法度のダービーで鞍上がチェンジすること。これに尽きるだろう。

 特に、騎乗停止のルメールから乗り替わるレーンはまったくのテン乗り。ダービー制覇となれば、乗り替わりの33年どころではない。1954年のゴールデンウエーブ以来、64年も途絶えているのだから…

 レーンの腕の確かさはここ数週間で嫌というほど見せつけられたが、積み重ねられた歴史を見ると、そう簡単に事は運びそうもない。

「ダービーの重みというものが、そういうふうにさせているのかもしれないね」とはリオンリオンを出走させる松永幹調教師。

 3走前から乗り続ける鞍上・横山典のことを「型にはめないし、何かをやってくれるジョッキー。“ノリが乗るのなら”って、こっちは全てを任せられる」と絶大な信頼を寄せていたのだが…

 ナント、こちらも先週の騎乗停止で(息子の横山武へ)乗り替わりとなる事態に。

 これで出走順上位17頭のうち8頭が「乗り替わり」で臨むことに。令和初のダービーが新時代のスタートらしく、乗り替わりのジンクスを破る新たなダービー像を描くのかどうか、今から興味が尽きない坂路野郎である。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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