今週の栗東は晴天の日が続いた。そんなこともあり、ダート馬場はパサパサすぎて、ハローの時間になると、大量の砂煙が舞い上がる状態。ウッドチップ馬場も乾燥しすぎないように水が撒かれている。
ただ、今週末から関西は梅雨入りの天気予報もある。さすがに雨が降り続くようだとウッドチップでの追い切りも時計を要する状態になってくるだろう。また、蒸し暑さが出てくると、夏負けになる馬も気になるところ。
【坂路/4F51.9秒】
6月5日。一番時計は4F49.8秒が
ヴァニラアイス(栗東・
高柳大輔厩舎)と
ジャスパージャック(栗東・
森秀行厩舎)の2頭。これに4F49.9秒が続いて、50秒以下が3頭もいた。ただ、4F51秒台の頭数はさほど多くなく、馬場差としては先週とさほど変わりないという感じがする。
また、4F目が11秒台は5頭。4F時計は遅めなので、終い重点にして出たラップという感じはするが、5頭中3頭が3歳馬というところに、今が伸び盛りの3歳という感じはする。
こんな馬場だと、ある程度時計が出た追い切りでなければ評価しにくいので、
ダンサール(栗東・
須貝尚介厩舎)の4F56.1秒は軽すぎるという判断をされやすい。実際、数字としては遅いわけだが、藤岡康太騎手がうまくなだめながら、
バランスを崩さずに走れている内容を見ると、遅く走ったことに大きな意味があるし、その中で軽く肩ムチが入ったところは見逃せない。この感じなら、
秋華賞以来となる重賞でも互角以上にやれそうな気がする。
6月6日。一番時計は
ハートスナッチャー(栗東・
音無秀孝厩舎)の4F50.6秒。前日に比べると一番時計が遅かったり、4F51秒台の頭数が少なかったりするが、これはそもそもの追い切り頭数の違い。来週から函館開催が始まるので、木曜日の追い切り頭数が少なくなる傾向はより強くなると思われる。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週は雨が降らなかったこともあり、先週と馬場状態が変化する外的要因はない。全体的な時計の出方を見ても、先週と馬場差は変わらないと判断して今週の馬場差も5日、6日の馬場差とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
6月5日。時計を要するというほどではないにせよ、極端に時計が出やすい軽い馬場という印象でもない。終い重点なら11秒台半ばで動ける馬もいるだけに、基準時計から比較すると軽い馬場だが、先週の-0.9秒という馬場差に比べると、今週の方が少し時計を要している。
6月6日。追い切り頭数が少ないのは坂路馬場と同じ。その中、
宝塚記念(6月23日・阪神芝2200m)に向けての2週前追い切りを行ったのが、ファン投票13位(第2回中間発表)の
エタリオウ(栗東・
友道康夫厩舎)。
単走だったが、前方には同厩舎の
ジュンテオドーラと
アンコールプリュが併せ馬。それをかなり後ろから見ていたが、自分のリズムで走って、6F84.7秒、1F12.5秒という内容。単走だったこともあり、動き自体は平凡に見えたが、先週の時点から丁寧につくっていくという陣営の意図があるので、一本ずつの追い切りを確実に消化していってといったところだろう。
冒頭にも記したように、今週は先週に比べると時計を要している印象。とはいっても、基準時計よりは速いので、今週の馬場差は5日、6日とも『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は5日に併せ馬が2組。馬場状態は先週ほど悪くなかったので、今週の馬場差は5日、6日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週よりもかなり少なくなった。時計の出方はほぼ基準通りで先週と同じ。よって、馬場差に関しては、5日、6日とも『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)