「
マーメイドS・G3」(9日、阪神)
薄曇りの空に見守られたターフに、切れ味鋭い蹄跡を残した。直線大外に持ち出された7番人気の
サラスが、ラ
イバルを次々にパスしていく。レース史上最高馬体重の524キロ。しかし、軽ハンデ51キロ。先に抜け出していた
レッドランディーニを力強く鼻差とらえ、見事15頭抜きを完結させた。
16年
リラヴァティ以来のVを決めた松若の笑顔がはじける。「後ろからこの馬のリズムで、と考えていました。前走から具合が良くなり、チャンスがあると思っていましたが、重賞を勝てて本当に良かったです」。今回が8度目のタッグ。ようやくたどりついたタイトルを、鞍上は思いを込めて振り返った。
先行策で能力を引き出そうとしたこともあったが、末脚を生かすプランを試し、メンバー最速の上がりを記録した前走の
パールS(3着)がターニングポイントになったという。開業5年目にして初の重賞制覇となった西村師は「最初は性格の難しさがありましたが、素質を感じていましたし、思い入れもありました。自分のペースで走ってしまいに脚を使う、という思っていた通りの競馬で差し切ってくれて…。いつか重賞を、と思っていたので」と感慨深げだ。
今後についてはリフレッシュ放牧を経てから、検討されることになりそう。武器となった末脚をバーションアップさせ、秋の大舞台へと続く道をしっかりと歩んでいきたい。
提供:デイリースポーツ