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シルヴェリオ “幻の名馬”の弟にルメールも期待大/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2019年06月19日(水) 18時00分
 3月末から2週間、POGの取材で北海道に行かせてもらった。6月も半ばになると、その時に牧場で見た馬たちが続々とトレセンに入厩。北海道のころにはまだ幼かった馬がたくましく成長している姿を見ると、何だか久々に親戚の子供に会ったようでうれしくなるものだ。

 さて、今回紹介したいのは日曜(23日)の阪神芝外1800メートルでデビュー予定のシルヴェリオ(牡=父ハーツクライ母シルヴァースカヤ池添学)。こちらは残念ながら北海道で見ることはできなかった馬なのだが、逆に見られなかったことが推奨理由の一つにもなっている。

 あれはノーザンファーム早来を訪れた時のこと。続々と登場してくる未来のスター候補たちを取材していると、木村厩舎長がふとつぶやいた。

「つい先日移動したんですが、あの馬もぜひ見てもらいたかった。今年のハーツクライ産駒の中でも期待の一頭。手先が軽くて、すごくいい馬なんです」

 その馬こそがシルヴェリオである。シルバーステートの下といえばピンとくる方もいるのではないか。その兄は鞍上・福永も素質を絶賛した良血で、未勝利戦をレコードで圧勝すると、そこから破竹の4連勝。残念ながら故障により重賞未出走のまま引退となったが、高いポテンシャルを買われて種牡馬入りした“幻の名馬”だ。その弟が牧場から高い評価を得ているとなれば、注目しないわけにはいかないだろう。

 心強いのはその移動時期。この血統は脚元と相談しながらというタイプが多いのだが、シルヴェリオは前述通り3月の早い時期の移動だった。「順調にこれたからこそですね」との言葉通り、現地で見られなかったことが、逆に体質の強さを裏付けている。

 もちろん、栗東に戻るとすぐにシルヴェリオを見に行った。黒光りする馬体に、池添学厩舎の緑の馬装具がよく映える、グッドルッキングホースである。

 4月11日のゲート試験合格後は、一度放牧に出てから再入厩。2週前追いではルメールが騎乗して感触を確かめた。池添学調教師は「軽くていいキャンターをする馬ですね。心肺機能も高い。素質はいいものを持っているのは間違いないですよ。気持ちの面でもう少しゆとりが出てくれば楽しみ。ルメールも“走りそう”と言ってくれていますから」と期待のほどを隠さない。

 宝塚記念当日の新馬戦といえば、2年前にダノンプレミアムが勝った出世レース。ここにはシルバーステートを管理した藤原英厩舎のレッドベルジュール(牡=父ディープインパクト母レッドファンタジア)などの注目馬も出走を予定している。その好メンバーを相手に、ハーツクライ産駒の大物候補がどんな走りを見せてくれるのか。今から楽しみでならない。

(西谷哲生)

東京スポーツ

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