スマートフォン版へ

“ポリトラックの申し子”アルクトスに注目/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年07月04日(木) 18時00分
 10万円超の3連単が3場で計21発。先週末は波乱続出の中央競馬だったが、とりわけ荒れたのは関東馬の主戦場たる福島開催だった。むろん悪天候の影響が大だろうが、気がかりはウッドコース消滅による弊害の有無。

 調整のサジ加減に微妙な狂いが生じているとすれば、一筋縄でいかない予想との格闘が今夏は続くことになる。

 さて、ウッドなき美浦トレセンに現存する調教コースには、それぞれ一長一短がある。故障の不安が少ないのはスピードに制御がかかる坂路だろうが、こちらは距離を乗れないのとコーナーがないのがネック。

 一方で距離を求めれば、路盤の硬いダートはひづめ、グリップの利くポリトラックは球節への負担が増す。ゆえにウッドはそれらをカバーする主流コースたり得たのだが…。

 こんな今、注目すべきはあえてウッドを避けて、これまで調教してきた馬たちかもしれない。元ウッド勢に死角ありとすれば、狙いは“通常パターン”の調整組という馬券セオリーはなきにしもあらずだ。

「もともとトモのハマりが良くない馬で、加減しつつの調整を余儀なくされるタイプ。どうしてもウッドは反動が大きく、試行錯誤を重ねて今のポリトラックに行き着きました。冬場より暖かい時期のほうが調整は楽だし、この調教が形になってきたのが近走結果に結びついていますよね」

 こう語るのは今週の中京メイン・プロキオンSアルクトスを送り出す三浦貴光助手。彼の言葉通り、年明けの中山・ポルックスS(ダ9ハロン)は6着に沈んだが、ポリトラック調教に切り替えるや、今春の東京のオアシスS(ダ8ハロン)→欅S(ダ7ハロン)を連勝。まさに“ポリの申し子”と化して、重賞挑戦の時を迎えた形である。

「トモの関係もありコーナー4つの競馬より、ワンターンが合うんです。加えて左回り(計5勝)がいいというのもありますね。7ハロン戦だった前走は予想外にモタついたけど、今回はスッと好位につけるイメージで馬をつくってきました。東京マイルの走りを見れば、芝スタートもいいはずなので」(同助手)

 勝てば、生産者(須崎牧場)にとってはうれしいJRA重賞初V。ラジオNIKKEI賞を制した鞍上・田辺も絶好調なだけに、信頼の最後のとりでたる“元祖ポリ調教馬”に今週は期待してみたい。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す