予想通りというか、能力通りというか、レース序盤から地方馬9頭は離されての追走となり、前に固まった中央5頭の争いとなった。グリムは順当勝ちだったが、2着は中央勢の中では唯一オープン以上で勝利を挙げていない
ノーブルサターンだった。
最初にポイントとなったのは、スタート後の直線。
テルペリオン、
コパノチャーリーはおそらく行くと決めていたのだろう。互いに譲らず、1コーナーに入る前に先頭を取りきったのは、外の
コパノチャーリーだった。外枠の馬が主張すれば当然ペースは速くなる。スタート直後一旦は先頭だったグリムは、この2頭の先行争いを見てすぐに控えた。
1コーナーを回るところでは外の
コパノチャーリーが先頭を取りきって流れが落ち着くかに思えた。ところが2コーナー、2番人気の
ロードゴラッソが、仕掛けていったのか、掛かっていったのか、前に並びかけていった。連れられるように
テルペリオンももう一度ギアを上げ、向正面に入ると前3頭が併走。それで前半1000m通過が60秒ちょうどという、息の入らない厳しい流れになった。これがもうひとつのポイント。
前3頭が互いに譲らずという形は3コーナー手前まで続き、結果的にそのうしろで脚を溜めていた2頭の決着。前半が速かったぶん、後半1000mは63秒2とかかって、レースの上り3Fが37秒7、勝ったグリム、2着の
ノーブルサターンはともに37秒2という脚を残していた。
グリムは他馬より2kg重い56kgを背負い、2着の
ノーブルサターンに2馬身差をつけて、なお余裕があった。このメンバーではやはり能力が抜けていたということ。これで十分に賞金を稼いで、秋はいよいよGI/JpnI戦線に挑戦となるのかどうか。厳しい流れになる中央の中距離路線より、地方の2000m以上の路線で力を発揮するタイプのように思える。
ルヴァンスレーヴ、
オメガパフュームに代表されるように、今年、強いと言われているダートの4歳世代。ここまで中央・地方で行われた古馬のダート
グレードは、牝馬限定戦を除いて19レース、そのうち半数以上の10レースを4歳馬が制したことになる。
コパノチャーリーは3コーナー過ぎから早々と後退してしまったが、2着
ノーブルサターン、3着
テルペリオン、4着
ロードゴラッソの3頭は能力的に差はない。むしろハイペースの前で競り合いながら、ゴール寸前まで抵抗した
テルペリオンの粘りは評価できる。地方のJpnIIIならメンバーや展開次第で勝つチャンスは巡ってくるだろう。