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【勝負の分かれ目 エルムS】ハイペースを味方につけたモズアトラクションが、GI戦線に向けて勝ち名乗り

  • 2019年08月11日(日) 18時50分
 ゲートが開くと、3番のドリームキラリが出鞭を受けてハナを切った。大外14番のリアンヴェリテが内に切れ込みながら並びかけ、少し遅れて並走する形で1コーナーへと入って行く。

 芝ではほとんどのレースで先手を取ってきた初ダートのマルターズアポジーが差のない3番手。同じく初ダートのタイムフライヤーがつづく。

 馬群は15馬身ほどの縦長になった。ターフビジョンに1000m通過タイムが58.5秒と掲示されると場内がどよめいた。

 明らかにハイペースなのだが、前がなかなか止まらない。4コーナーでリアンヴェリテが先頭に立って直線へ。外からタイムフライヤーがかわしにかかる。

 これらの外に、藤岡康太のモズアトラクションが並びかけてきた。ラスト100mあたりで突き抜け、2着に1馬身半差をつけてフィニッシュした。

「状態がすごくよかった。 (2着だった)前走で確認したことを踏まえて、前に強い馬がいたので、何とかつかまえようとしました。リズムがよかったし、流れが速く、この馬にとっていい展開でした。3コーナーから追い上げる脚もよかったです」

 これがコンビ4戦連続4戦目となった藤岡はそう振り返る。

 対照的に、速い流れに戸惑ったような走りになったのは、1番人気に支持されながら7着に終わった武豊のグリムだった。

「感じはよかった。今までと違う形になってしまいましたね。こういう速い流れにも対応してくれると思っていたんですけど、4コーナーで初めて手応えがなくなりました。自信があっただけに残念です」と武。

 4着レッドアトゥ福永祐一は「相手を間違えた。グリムが相手だと思ったので、そのぶん外を回ってしまった」と顔をしかめた。

 モズアトラクションの勝ちタイムは1分41秒9。初勝利まで12戦を要した「苦労馬」が、初めての重賞タイトルを手中にした。

 展開に味方されたとはいえ、自分から動いて勝ち切った内容は素晴らしかった。秋のGI戦線に、また楽しみな新星が現れた。

(文:島田明宏)

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