14日、大井11Rで行われる3歳馬の地方全国交流競走「第53回
黒潮盃SII/1800m、1着1800万円」に、ホッカイドウ競馬(門別)から
北海優駿(ダービー)2着馬
リンノレジェンド(牡3・
林和弘厩舎、父
トビーズコーナー。愛知・
岡部誠騎手56キロ)が挑戦する。
この
黒潮盃SIIは、
地方競馬の企画シリーズ「3歳秋のチャンピオンシップ」第2戦にあたり、その競走カテゴリーは唯一の「A」ランク。ここを勝ったうえで、シリーズ最終12戦目として10月6日に岩手・
盛岡競馬場で行われる「ダービー
グランプリM1」に駒を進め優勝すると、本賞金等に加えて褒賞金(馬主)「1000万円」も獲得できる。それだけに、陣営としても何とかモノにしたい一戦だろう。
リンノレジェンドは8月1日、地元3歳三冠競走の最終戦「第40回
王冠賞H2/1800m」に出走し、9年ぶり5頭目の「三冠馬」となった
リンゾウチャネルからクビ+1馬身差の3着。そこから中1週で東京までの長距離輸送ということで、少々ハードスケジュールとも言えそうだが、そこは陣営も間隔が詰まっていることを考慮。最終追い切りは坂路の軽いところに留め「状態の維持に努めてきた」(
林和弘師)という。
地元の3歳三冠競走(
北斗盃H2=1600m・内/
北海優駿<ダービー>H1=2000m・外/
王冠賞H2=1800m・外)すべてを走ったものの5着→2着→3着。同世代に9年ぶりの三冠馬が居たことで、未だ「無冠の2勝馬」ではあるのだが、
リンゾウチャネルや
シベリアンプラウドといった好敵手に恵まれたことで、特に「スピードの持続力」という持ち味に磨きを掛けてきた。
特に、三冠最終戦の
王冠賞H2では、3着ながら1800m(良)の走破時計「1分54秒8」は相当に秀逸。三冠を成し遂げた
リンゾウチャネルの鞍上・
五十嵐冬樹騎手がテンから「正攻法の競馬」を選択、速いラップを刻んで逃げたことが好タイムを生んだ主因ではあるだろう。
しかし、一つ前に同じ距離で争われたA1下特別を走った一昨年のNAR
グランプリ「
年度代表馬」
ヒガシウィルウィンが1分55秒3(2着)、同じく一昨年の
道営記念H1優勝馬
ステージインパクトが1分55秒8(3着)だったのだから、もちろんレースによってペース配分の違いはあるといえ、
リンノレジェンドの
王冠賞「1分54秒8」が高く評価されるべき時計であることは解ってもらえるのではなかろうか。
ちなみに、施行時期の違いによる時計差も大きいだろうが、今季開幕シリーズの4月23日に行われた第9回
コスモバルク記念(1800m・良)で
オヤコダカを9馬身ちぎった王者
スーパーステションの勝ち時計が「1分55秒7」だったことも、敢えて書き添えておきたい。
中1週での遠征敢行を決めた
林和弘師は「瞬発力勝負では分が悪い馬なので、テンから速い流れになりやすい南関東の重賞の方が脚質的に合うだろうとみての遠征です。今年1月の大井でこの1800m(※ゆきやなぎ特別)も勝ってますしね。
実はこのレース、2歳の時ウチの厩舎にいて南関東に移籍した馬が3頭(2枠4番
ヤマショウブラック、4枠7番
グリードパルフェ、8枠16番
マブイーグル)も出るんですよ。その後の成長も大きいだろうから単純な比較はできませんが、
リンノレジェンドも成長してくれてますから。
輸送の影響は多少あるかもしれませんが、ジョッキーの手腕も申し分ないですし、期待を持って挑みたいと思います」と話してくれた。
発走は20時10分。9年ぶりに三冠馬も誕生した今季の「ホッカイドウ門別3歳勢」がハイレベルにあることを証明するような、
リンノレジェンドの力強い走りに期待を懸けてみたい。
(文=ひだか応援隊)