脚部不安のため、
セントウルSを回避した
レッドアンシェル。もともとは
CBC賞勝ちからのぶっつけで
スプリンターズSに向かう予定だったのを変更しての出走プランだったのだが、そんな急なローテ変更にもかかわらず、「いろんなジョッキーサイドから“乗せてほしい”とリク
エストがあった」と庄野調教師が明かしてくれた。主戦の福永が
高松宮記念勝ち馬
ミスターメロディに乗るため、複数のエージェントから売り込みがあったというわけだ。
この動きから「おそらく強力なメンバーはそこまで多くないのでは」と読んでいたトレーナー。なるほど、発表された登録馬を見ると、
スプリンターズSの前哨戦としては手薄。読み自体は見事に当たっていた。
一方で、なぜ
レッドアンシェルが予定を変更して
セントウルSに使おうとしたかというと、
グランアレグリア、
ステルヴィオなどの“新規参入組”の影響で、
スプリンターズSのボーダーが当初より高くなり、現状の賞金では出走できない恐れが出ていたから。つまり、前哨戦が寂しいメンバーなのに、本番は例年より駒が揃うという、ある意味、矛盾した図式になっているのだ。
近年はぶっつけでGIに使う馬が勝ち負けするのが当たり前になっているが、どうやら
スプリンターズSにもそうした“におい”が漂っている?
少なくとも今年の
セントウルSが本番に直結するためには、
高松宮記念の覇者
ミスターメロディが強い競馬できっちり結果を出すことが必要になってくる。仮に、この馬が凡走するようだと…。それこそ、何が来てもおかしくないのかも。
そんな中、この
セントウルSを
ステップに米GI・BCス
プリント(11月2日=サンタ
アニタパーク競馬場、ダ1200メートル)に向かう異端の存在が
マテラスカイ。もちろん、次への叩き台であり、「ほかに使うレースもないので」(高野助手)という後ろ向きな理由もあるにはあるのだが…。その一方で「前からもう一度、芝を使いたいと思っていた」とも。
なんでも主戦の
武豊が「芝スタートのところが一番速いな」とダート戦のスタート部分の芝の行きっぷりの良さをいつも褒めているのだという。
「以前に芝を使った時(16年
京王杯2歳S9着)とは馬が違いますし、力をつけた今、芝でどれだけやれるのかを見てみたい」(高野助手)
もしかしたら、
マテラスカイが今年の
セントウルSを引っかき回す存在になるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ