昨年の4回阪神2週目からデビュー勝ちを決めた馬といえば、
クリソベリル(栗東・
音無秀孝厩舎)。新潟ダート1800mに出馬投票するも除外となり、秋のこの番組まで待機していた。3歳7月には無傷の4連勝でJDDでGIを制覇。今秋の活躍も期待されている。
ここで取り上げた以外では
ロードカナロア産駒の
ベイサイドブルー(栗東・
矢作芳人厩舎)も注目の1頭だろう。芝でのデビュー予定もあったようだが、目標をここに定めて追い切りの動きも良くなってきた。レースでの鞍上は
坂井瑠星騎手が予定されている。
【9月14日(土) 阪神芝1400m】
◆
ピュアカラー(牝、父
ワールドエース、
母ヴィヴィッドカラー、栗東・
橋口慎介厩舎)
父は今年の新種牡馬で、産駒の
オータムレッドは新馬、
クローバー賞と連勝中。
アサケエースは中京芝1400mの未勝利を勝った後、
中京2歳Sは3着とすでに活躍馬を輩出している。
本馬は8月1日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩した後、順調に追い切りを消化。ここ2週はCWで追い切られており、先週はレースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨って、6F84.2秒をマークした。併せ馬での動きはさほど目立たないが、8月21日の坂路での動きが良かったことを思えば、トラック馬場ではさほど動かないのかも知れない。
【9月15日(日) 阪神ダート1800m】
◆
リレーションシップ(牡、父
ルーラーシップ、
母カラフルブラッサム、栗東・
須貝尚介厩舎)
おじに
浦和記念や
佐賀記念を勝った
ピイラニハイウェイ(
父Silver Deputy)がいる血統で、母は現役時代に芝中距離で3勝を挙げている。
本馬は6月28日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されて、8月16日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。8月29日のCWでは案外の動きだったが、レースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨った9月5日のCWでは追走する併せ馬でゴール前は相手を突き放す動きを見せた。6F84.3秒は強調するほどの時計ではないが、ラスト1F11.7秒の伸びは秀逸。追われてからの動きの良さは実戦での好走をイメージさせてくれるものだった。
【9月16日(月) 阪神芝1200m】
◆
クリノアンカーマン(牡、父
キンシャサノキセキ、
母キーオブライフ、栗東・
高橋義忠厩舎)
おじに未勝利から1000万下(現2勝クラス)まで3連勝した
ミスティックグロウ(父
オルフェーヴル)や今夏の
富良野特別(札幌芝2000m)を勝った
ハーメティキスト(父
ロードカナロア)などがいる血統。
本馬は8月7日に宇治田原優駿Sから栗東へ入厩。8月29日の坂路で4F52.8秒という時計をマークし、水準以上の動きは見せていたようだが、それが本物だと確信できたのは9月5日のCW。レースで騎乗予定の
幸英明騎手が跨って、新馬を追いかけたが、その距離は6F地点で4秒差。これをしっかり追いついたのだから、それだけでも十分だが、その時計が6F79.5秒というところが驚き。体力もしっかりとしているだけに、スムーズなレースができれば、自然と結果はついてくるだろう。
【9月16日(月) 阪神芝1600m(牝)】
◆
ロジーナ(牝、父
キズナ、
母ケープタウンシチー、栗東・
佐々木晶三厩舎)
半兄
ヴァンベールシチー(
父ステイゴールド)は芝中距離で2勝。母系にはダートで5勝を挙げた
ウイングシチー(
父フジキセキ)がいる血統。
すでに重賞勝ち馬を輩出した父
キズナだが、本馬も走る
キズナとなりそうな追い切りでの動き。8月29日の坂路では、レースで騎乗予定の
田中健騎手が跨り、新馬との併せ馬で4馬身ほど追走していたにもかかわらず、最後は相手を1秒以上突き放す動き。9月4日の坂路では併せ馬に遅れたものの、2F24.7秒、1F12.3秒の時計をマーク。あとは実戦でどれだけ動けるか。
(取材・文:井内利彰)