2009年の春秋
グランプリを制するなど大舞台で活躍した
ドリームジャーニー。その最終追い切りといえば栗東Cウッドが定番だったが、10年に球節炎を発症して以降は脚元を考慮して坂路追いに変更。「
ドリームジャーニーが復活するのはウッドでビシッと追うようになってから」と読み、坂路追いの同馬を敬遠する記者は少なくなかった。実際、その後は勝つことなく引退したのだから、その読みは正しかった?
ルーティンで行っている調整方法が変わったとき、そこには何らかの理由が存在する。
今週の
ローズSに出走する
シゲルピンクダイヤ(写真)は、先週4日に行った1週前追い切りで、デビュー戦の2週前追い(18年9月26日)以来となるウッド調教を敢行。ずっと坂路で追っていた馬の調教法の変化にも当然理由はあり、それは
ドリームジャーニーのケースとはベクトルが180度異なるものだ。
「繋靱帯炎になった馬なので、春は坂路でしか追い切りをしていなかったんですが、今は脚元の状態がいいので、ウッドでやってみたんです。しっかりやれましたし、息遣いも良かったですね」とは渡辺調教師だ。担当の上浜助手によれば「春はプールにも行っていたんですが、それも今は行っていない。それだけ脚元を気にせず調整できています」
“加減していた”というわけではないだろうが、脚元に気を使いながら調整していた春でも
チューリップ賞→
桜花賞で連続2着だから、やはり本物。12着に大敗した
オークスは「ゲート入りに手間取って、自分で自分の脚を蹴ってしまい、ケガもしていた。レース以前の問題でした」(渡辺師)と度外視できるレースだ。
今度の舞台はGIで好走した阪神外回り。「気性的に久々は全く問題ない」(上浜助手)とあれば、また上がり3ハロン32秒7の鬼脚を見せてくれるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ