「ローズS・G2」(15日、阪神)
1番人気に推された
ダノンファンタジーが、中団追走から直線の外をしぶとく伸びてV。1分44秒4のコースレコードを刻み、重賞4勝目を挙げた。前哨戦をこの上ない結果でクリアした2歳女王が、春の雪辱を胸に
秋華賞(10月13日・京都)を目指す。2着
ビーチサンバ(6番人気)、3着
ウィクトーリア(2番人気)までが本番への優先出走権を獲得した。
2歳女王としての意地、そしてラスト1冠に懸ける執念が
ダノンファンタジーを突き動かした。直線入り口で
ゴーサインを出された際は思うような反応を示せなかったものの、1完歩ごとに差を縮め、ちょうど先行2頭をのみ込んだところがゴール。1分44秒4のコースレコードで、今年の
チューリップ賞以来となる重賞4勝目を手にした。
「ゲートを出過ぎた面がありましたが、よく我慢してくれました。秋初戦としてはいい内容で勝ってくれたと思います」と川田は胸をなで下ろす。ハナに立つほどのスタートを切ってしまったため、その後は抑えるのに苦労。直線でも「いろいろな課題を見せた」と鞍上が指摘するようにフラフラする面があったが、それでも世代トップクラスの力を改めて証明してみせた。
ひと夏を越して収穫もあった。レース前に全くイレ込む面を見せず、中内田師が「返し馬で落ち着き過ぎていて、逆に心配になるくらい」と話すほど。「これで結果が出ましたからね。だいぶ成長してくれています」とメンタル面の進化に目を細めた。
グランアレグリアが
スプリンターズSへ矛先を向け、
ラヴズオンリーユーが爪を傷めて回避。桜樫女王が不在の本番に王手をかけた。「いい形で
秋華賞に行けると思います」と指揮官。春の無念を晴らすべく、淀で“三冠目の正直”に挑む。
提供:デイリースポーツ