天皇賞(秋)への
ステップレースのひとつとして、勝ち馬には優先出走権が与えられる。しかし、ここを
ステップとして
天皇賞(秋)を勝ったのは86年以降では昨年の
レイデオロのみであり、親和性は高くない。それよりも、14年の
エリザベス女王杯を勝った
ラキシス、15年の
ジャパンCを勝った
ショウナンパンドラ、
エリザベス女王杯をワンツーした
マリアライトと
ヌーヴォレコルト、16年の
有馬記念を3着した
ゴールドアクターらの秋の始動戦として選ばれており、より長い距離のGI戦線を占う上での重要性の方が大きいと言えるだろう。
1.前走GI組が中心
ここ4年の1、2着馬は全て前走がGI(海外含む)だった。その中でも、17年に勝利した
ルージュバックは前走
ヴィクトリアマイルで10着、16年に勝利した
ゴールドアクターは前走
天皇賞・春で12着、2着の
サトノノブレスは
宝塚記念で8着。前走GIを凡走していた馬が巻き返してくる。
2.休養明けの馬優勢
新潟開催だった14年を除き、中10週以内だった馬が勝利したのは09年の
マツリダゴッホが最後。2着も13年の
メイショウナルトを最後に途絶えている。上の前走GIという条件と重なる面はあるが、基本的に夏場使われてきた馬は精彩を欠きやすく、夏場じっくり休養してきた馬が好走しやすい。
3.スピードが要求される
オールカマーと同じコースで行われる古馬重賞
AJCCでは、今年も含めた過去5年の平均勝ち時計が2分12秒9で勝ち馬の平均上がり3Fタイムが34秒9なのに対し、
オールカマーは過去4年の平均勝ち時計が2分12秒2で、勝ち馬の平均上がり3Fタイムは34秒2。野芝のみを使用した馬場で行われることもあり、全体時計も上がりも
オールカマーの方がやや速い。よって、過去9年の勝ち馬中6頭が4角4番手以内だったように、前々で立ち回るスピードが必要になってくる。
登録時点で先行馬が手薄であるので、ここは楽に先行していけそうな
スティッフェリオの巻き返しに期待したい。一昨年の
セントライト記念では苦しい展開の中4着に粘っており、コースは問題ないだろう。前走の
宝塚記念では7着だったが、
レイデオロとの差は0.3秒。今回56kgなら善戦可能と見る。