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“3度変わった”ウインブライト/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年09月19日(木) 18時00分
 先週美浦での取材中に「ノーザンテースト産駒は3度変わる」という言葉を唐突に思い出した。日本競馬の血統を塗り替えた80年代の名種牡馬、その産駒の成長力をたたえたものだが、このフレーズがふと頭に浮かんだのは、ウインブライトの1週前追い切りに騎乗した松岡正海が思わぬ感触を伝えてきたからだ。

「思えば、今年の春もまだ完成形ではなかった。ひと夏越してまた一段階段を上がった感じ。テッペンまでの階段も残り少ない地点まで来たかな」

 最初の成長が見えたのは、GI馬3頭を抑えて勝利した昨年の中山記念。そして2度目のそれは、初の海外遠征たるGIクイーンエリザベスII世カップを制した今春に訪れた。「もはやオレが乗るレベルを超えてきた」と松岡が急成長を表現したのもその当時。ゆえに馬はピークを迎えたものと当方は受け取っていたのだが…。鞍上の感触が確かなら、ステイゴールド産駒も3度変わる--そう言わしめる競馬シーンが今秋待っているのかもしれない。

「動きもそうだし、振る舞いもそう。馬に自信がついて躍動感が出て、醸し出す雰囲気はさらに良くなっている。乗っていて他の馬を威嚇したりするし、だいぶ頼れる男性になってきたって感じ」

 春から何が変わったのか? その問いに対する松岡の答えがこの言葉。

 少年から青年に変わったのが昨年なら、青年から働き盛りの壮年へ一気の変貌を遂げたのが今夏なのかもしれない。確かに以前と違い、安易に近づき難いオーラを心身にまとっている。今のウインブライトにそう感じるのは当方だけではあるまい。

「7月20日に放牧先から帰キュウして、ひと夏丸々、美浦で過ごした。まあ、普通のオープン馬とはまるっきり逆パターンだよね(笑い)。つまりはキュウ舎に全権委任してくれたってこと。ありがたい話だし、馬房にクーラーを取りつけるのも道理でしょう。かいあってカイ食いが落ちることなく、夏負けもせず順調にきた。さらに結果を出さなければという思いはあるよ」

 始動戦となるGIIオールカマーを前にこう語ったのは管理する畠山吉宏調教師。同世代のダービー馬レイデオロとの再対決は、“3度変わった”同馬の真骨頂を示す格好の舞台になりそうだ。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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