期待した
ウインブライトが9着惨敗を喫したGII
オールカマー。鞍上・
松岡正海は「距離」を敗因に挙げたが、それでもオープン勝ちのない8着
エンジニアにすら0秒7差とは…。根本的に休み明けが走らないのか、外回りがダメなのか、それともスローの瞬発力勝負が合わないのか。次走のGI
天皇賞・秋(10月27日)までに敗因を徹底的に究明することが、せめてもの読者への償いと肝に銘じたい。
さて、今週の
スプリンターズSを皮切りに、いよいよ秋のGIシリーズが幕を開く。
凱旋門賞を含むトップホースらの激突は今から胸を躍らせるが、そこでも焦点となるのは向かう舞台への「準備」と「適性」だろう。先週の反省込みで、今週の主役たる
ダノンスマッシュのそれをまずは検証してみたい。
「今までで一番強い競馬だったと思いますよ」
担当の岩本龍治助手が札幌でこう語ったのは、取材と予想的中のお礼を兼ねて、馬房へと足を運んだGIII
キーンランドC翌週のことだった。一口に強さといっても多種多様だが、担当者が求めたものは何か?
「これまでは立ち回りのうまさで押し切る形が目立ったけど、今回は外から力で相手をねじ伏せる横綱相撲。この馬が完成するのは来年と思っていますが、階段を一段上れた気がするんです」
成長の糧はおそらく同じ
スタイルで敗れた
高松宮記念(4着)の経験。ボクサーに例えれば、一敗地にまみれたテクニシャンが
ハードパンチを身につけたようなものか。秋こそは人気に応える走りを見せる? そこで気になる2つの問いを当時ぶつけてみた。
「本番への上積みですか?それはきっと大きいと思います。昨年もそうでしたが、栗東に戻り坂路調教することで体がグンと張ってくるんです。なかなか状態が上がらなかった
函館スプリントSを除外になったことも、おそらく災い転じて福となりそうです」
とはいえ自身初の中山コース攻略は戴冠における最大のカギ。未経験の直線の急坂は果たして敵か、味方か?
「坂路を楽に上がってくるパワーの持ち主。中山はむしろ合っていると思います。それに一瞬の瞬発力が持ち味の馬。他が坂でモタつく間に、スッと抜け出すイメージがあるんですけどね」
これを聞いた瞬間、1か月後の本命は決まったも同然だった。むろん初志貫徹。同馬の「準備」と「適性」を信じて1着固定で勝負といこう。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ