あす6日行われる地方・中央の2重賞「第32回ダービー
グランプリ」(盛岡ダート2000m/3歳秋のチャンピオンシップ・
ファイナル)と「第70回
毎日王冠GII」(東京芝1800m)に、ホッカイドウ門別から注目馬2頭(ダービー
グランプリ=
リンノレジェンド、
毎日王冠=
ハッピーグリン)が挑む。
発走時刻の順だと
毎日王冠(15時45分)が先ではあるが、当稿では盛岡のダービー
グランプリ(18時10分)を先に触れてみたい。
同競走は、
リンゾウチャネルが9年ぶり史上5頭目の三冠馬に輝いた8月1日「
王冠賞H2」(門別1800m外回り)を皮切りに、9月16日の「西
日本ダービー」(高知1900m)まで全国10場で計11競走が重ねられてきた、
地方競馬全国協会(NAR)主導のシリーズ企画「3歳秋のチャンピオンシップ2019」で最終戦に位置づけられている。
王冠賞H2から西
日本ダービーまでの計11競走にはそれぞれカテゴリー区分(A・B・C の3区分。詳細
http://www.keiba.go.jp/3saiaki2019/gaiyou.html)があり、それぞれの勝ち馬がダービー
グランプリM1も制した際には、区分ごとに定められたボーナス賞金(A/1000万円、B/800万円、C/500万円)が馬主に贈られる。
今回、ホッカイドウ門別から遠征で挑む大井・
黒潮盃SII優勝馬
リンノレジェンドは、
黒潮盃SIIがシリーズ中で唯一「カテゴリーA」区分の競走ということで、仮にダービー
グランプリも制するとなれば1着本賞金1000万円+ボーナス賞金1000万円=計2000万円を獲得できるのだが、その「最高額」の権利がある唯一の存在ということで、陣営も前走
黒潮盃SIIの後は当然ここ一本に
ロックオン。レース翌日の8月15日に門別へと帰厩すると、3日ほど楽をさせた後はここまで非常に念入りに調整されてきた。
盛岡ダ2000mが左回りということで、ここ数週間は
リンノレジェンドを週に2回ほど門別の内コースを左回りで走らせる調教も重ねられてきた。
林和弘師は「コーナーワークは問題ないし、手前の替え方なんかも大丈夫ですね。すでに出来てますし、今回は直前に輸送もあるので
王冠賞の前ほどキツイ負荷は掛けてませんが、頑張って走ってくれると思います」と話す。前走・
黒潮盃SIIに続いて愛知の名手・
岡部誠騎手(56キロ)の手綱だが、林師は「前走も上手に乗ってくれて。何も心配するところはないです」と全幅の信頼を寄せる。
ダービー
グランプリでの北海道所属馬の優勝は、第6回(1991年)
リバーストンキング&
松本隆宏騎手(現調教師)と一昨年の第30回(2017年)
スーパーステション&
阿部龍騎手の2回のみ。2年ぶり3頭目の快挙へ、機は熟したのか。地元3歳三冠戦では宿敵
リンゾウチャネルに跳ね返され続けた
リンノレジェンドによる、みちのくからの吉報を待ちたい。
もう一頭、東京・
毎日王冠GIIで
ハッピーグリンが名コンビ・
服部茂史騎手と芝重賞2勝目(2018
岩手県知事杯OROカップM1が初タイトル)に挑む。前走、地元ダートの
旭岳賞H2は
スーパーステションの2番手を追走するも早々に脱落。大敗を喫してしまったが、
田中淳司師は「間も空きすぎるし“地元ファンの前で雄姿を”という思いもあって使いましたが、やはり芝でこその馬ですね。2歳時ダートでそれなりの走りを見せたとは言っても、本当にダートの一流馬になれるなら
全日本2歳優駿とかでも結果を出してないとね」と意に介していない。
今回は
セントポーリア賞1着、
プリンシパルS4着、そして
ジャパンカップでレコード駆けの
アーモンドアイの7着と大健闘した最も得意な東京の芝コースが舞台だ。初タイトルを掴んだ盛岡芝も左回りであり、
ハッピーグリンが最も輝けそうな条件での挑戦だ。
田中淳司師は「香港挑戦の後、トモに不安が出たりして順調さを欠いた時期もありましたが、今はそこらも解消されて。近走では最も良い状態で送り出せます。開幕週の馬場なのでなかなか前も止まらないでしょうけど、デキの良さを生かして一つでも上の着順を期待しています」と話してくれた。
今年度、発売額が全国でもトップ級の伸び率を記録するなど、ファンの注目度が上がり続けているホッカイドウ門別競馬を背負って立つ立場の2頭の重賞チャレンジ。ぜひ、熱い声援を送っていただきたい。
(文=ひだか応援隊)