ダノンファンタジーにとってこの雨と馬場は決して歓迎材料ではないでしょう。
中内田師は「重馬場は走ったことがないから何とも言えませんが得意ではないと思います」と明言しているし、川田騎手も「
ディープインパクトの子供でこれだけきれいなトビをする馬なので乾いた馬場が一番能力を発揮できると思う」と話しています。
調教ではテンションが上がるけれど、競馬ではしっかり我慢が効く。それが
ダノンファンタジーの長所ですが、それゆえに競馬に行くと彼女の中にある“走りたくなる気持ち”が逆境を克服するのでは?と期待してしまいます。
決して得意ではない条件かもしれませんが、極悪馬場は出走馬みな同じ条件ですから。
ダノンファンタジーらしい彼女の気力をそんな状況下でも見れるのではないかな。
「
桜花賞では強い馬を追いかけて
トライはしましたが届かずという内容。
オークスは初めての距離でしたが、上手に立ち回れて着順は5着でしたが自分の競馬はできたかな、という感じです。
ローズSは休み明けでフレッシュ感もあり、粗削りな面もありましたが自力でカバーしてくれたという印象でしたね。心身の成長を感じていましたが、それが競馬に繋がったかんじです」(中内田師)
彼女の真面目さというか、競馬にいくとしっかり走り切ってくる堅実さから、この状況でも狙いたくなる衝動にかられます。
「
ローズSでは休み明けの分、ゲートで騎手がなだめて直線ではフラフラする場面もあり、それは今回に向けての課題でした。課題については、競馬のスピードになった時にどうか、というのはありますがやれることはやってきました。
2000mは初めて走りますし、これまでとコース形態もガラッと変わる。上手く立ち回ってくれればと思っています」
(取材・文:花岡貴子)