10月23日にジーロング競馬場でG3・ジーロングC(芝2400m)が開催された。
このレースは
メルボルンCの重要な前哨戦の一つで、2002年には
メディアパズルが、2010年にはアメリケインが、2011年には
ドゥーナデンがそれぞれこのレースを勝利後に
メルボルンCに挑戦し、見事に優勝を果たしている。
今年、ジーロングCで1番人気に支持されたのは
プリンスオブアラン、昨年は
メルボルンCのわずか3日前に
レクサスSを優勝、優先出走権を手に入れ、中二日で
メルボルンCに向かい3馬身差の3着と検討した。騎乗したM.ウォーカー騎手が「中二日の厳しいローテーションでなければ勝っていたと思う」とコメントした経緯からも、今年は何としてもゆとりのあるローテーションで
メルボルンCへ向かいたい陣営だったが、レーティング的に出走圏内に入るにはどうしても一つ勝っておく必要があった。
2番人気はアイルランドからの遠征馬トゥルーセルフ、こちらも目標は
メルボルンCだったが、現状ではレーティングが足らず、出走を果たすには最低でも一つ勝つ必要がある。
1番人気の
プリンスオブアランは大外枠からのスタート、少し内にもたれるような動きでゲートを出たが、鞍上のウォーカーがしっかりと追い出して2番手の好位置へ。四角で逃げるハキーに並びかけそのまま先頭へ、後方から馬群を割って迫ったトゥルーセルフをアタマ差抑えて見事優勝した。
今後発表されるペナルティ(ハンデ増)次第だが、おそらく陣営の思惑通りに
メルボルンC出走圏内へと潜り込み、ゆとりあるローテーションで昨年の雪辱を狙う。
逆に2着のトゥルーセルフは
メルボルンC出走が厳しくなったために目標を変更、2000mのG1・マッキノンSへの出走が関係者により示唆された。
果敢な逃げから3着に残ったハキーは、昨年の
プリンスオブアランと同じ
レクサスSからの
メルボルンC出走を狙う。
メルボルンCには
メールドグラースが、マッキノンSには
スズカデヴィアスがそれぞれ出走を予定している。
(取材:川上鉱介)