今週末の競馬の見どころは言わずもがな。
アーモンドアイと
サートゥルナーリアが激突する
天皇賞・秋。この一戦は近年でも屈指のベストバウトになるだろうと誰もが思っている。記者もそうだ。これは現地で見るべきレースと判断し、京都から当日輸送で東京競馬場へ向かう。
サートゥルナーリアの1週前追いにピンとくるものがなかったのは少し気になるが、そんなことも含めて週末までの時間を有意義に使いたい。そして、頂上決戦にふさわしい天気になってくれることを切に願っている。
そんな
天皇賞・秋に
マカヒキ、
ユーキャンスマイル、
ワグネリアンの3頭を出走させる友道キュウ舎は、1か月後のJCに
エタリオウと
シュヴァルグランを追加させ、なんと5頭出しを予定しているという。先週の
菊花賞を勝った
ワールドプレミアもラインアップに加わってくるわけで、この路線における層の厚さは現役屈指と思えるが、これはキュウ舎の目指すべきビジョンが明確なために起こること。
「うちのキュウ舎に入ってくる馬は中・長距離のレースを意識したタイプが多いので、最終的に出走するレースがかぶってしまうんです。その状況で最多勝を狙うことは難しい。だから意識しているのは最多勝ではなく、最多賞金のほうになりますね」と大江助手。
“多頭数出しは
グランプリ名物”と言われていた時期があった池江キュウ舎も似たようなもので、狙っているのは常にダービーを頂点とした芝の中・長距離レース。これにトレーナーは「勝利数だけを考えれば、短距離タイプやダート馬を入れたほうが簡単とは思う。でも、うちのキュウ舎に預けてくれるオーナーはダービーや
有馬記念を勝ちたいと思っているわけだからね。それに応えようとした結果が多頭数出しになった」と説明していた。この2キュウ舎のワンツーになった先週の
菊花賞は必然――とするのは後付けにもほどがあるだろうか。
最終目標であるGIは多頭数出しになってしまうが、それまでのレース、特に賞金加算が必要な2歳戦は“使い分け”が基本的な戦術。記者の担当キュウ舎で言えば、角居キュウ舎も2歳の勝ち上がり率が高いキュウ舎だが、ここも当たり前のように“使い分け”をしながら賞金を加算させていく。今週のOP萩S(京都芝外1800メートル)は登録段階で7頭しかいないレースだが、前述した3キュウ舎は管理馬をきっちりとスタンバイ。まずはここで“イチ抜け”を狙っているわけだ。
当初は
エカテリンブルクこそが主役と思っていたのだが、「大物感があった入キュウ当初と違い、現在は背中を反りながら走るような、少し修正が必要な走りになっているんです。意識的に強めの負荷をかけているので、この状況を乗り越えて強くなっていってもらいたい」と大江助手のトーンがひと息なのであれば、デビュー前の評価よりもはるかに素晴らしいパフォーマンスを見せた
ヴィースバーデンのほうに注目してみたい。
「軽い芝で良さが出たんでしょうけど、それにしても前走は切れましたよね。気難しい面もそこまで見せなかったですし、直線が平坦の京都も良さそうです」と辻野助手。人気的にもおいしいのはコチラではないだろうか。
(松浪大樹)
東京スポーツ