私は気象予報士という職業を生かし、季節馬激走予想を行っています。まずレース当日の気温を区分けし(※)、配当妙味のある季節馬を特定。さらに
JRAの馬場発表をもとに馬場状態を解析、分類します。それらの独自情報を活用し、それぞれの気候・馬場に合った穴馬を抽出。ここでは、過去10年の気候成績から激走馬の傾向を分析。当日気候レベルを想定し、激走が期待できる馬を抽出しました。
(※)区分の仕方は12度未満の「寒」、12度以上18度未満の「涼」、18度以上25度未満の「暖」、25度以上30度未満の「暑」、30度以上を「酷暑」とした5段階
【秋競馬で好成績を残してきた馬が活躍】
まず、過去10年の勝ち馬と人気の関係を見てみると1、2番人気の馬が3勝、3番人気が2勝と1〜3番人気で8勝をマーク。1〜3番人気が1頭も馬券内に入らなかったのは、09年のみで、14年以降は毎年1〜3番人気から2頭が馬券内に入っています。
激走馬は過去10年間で8頭出現していました。14〜16年こそ激走馬はいませんでしたが、17、18年は2年連続で激走馬が出現しており、1〜3番人気から2頭+激走馬1頭というパターンは過去10年で5回ありました。
以上のような点を踏まえて、注目ポイントを挙げていくと2つの点が浮上してきます。まず、ひとつめは「馬券内に入った30頭中16頭が、秋に2勝以上もしくは3連対以上している」点です。
詳しく見てみると、09年に4番人気2着だった
アーネストリーの秋の成績は[3-1-0-0]でしたし、11年に1番人気で2着だった
オウケンブルースリは[2-2-2-3]でした。近年でも16年に2番人気で勝利した
シュヴァルグランが[3-1-1-0]、翌年の
スワーヴリチャードは[1-2-0-0]で、1番人気に応えて勝っています。
もう1点、激走馬については「8頭中5頭が『寒』で未勝利+『暖』で3連対以上」という傾向が見られました。例を挙げれば、09年に11番人気で勝った
ミヤビランベリは寒で[0-1-1-2]、暖で[3-0-1-2]、13年に7番人気で制した
アスカクリチャンは寒で[0-0-1-8]、暖で[2-2-3-3]という成績を残していました。
アルゼンチン共和国杯における激走馬の傾向として、「秋に好成績を残している点」、「『寒』で振るわず、『暖』での良績が目立つ点」については、注意を払っておきたいところです。
(文=三宅誠)