9月12日の
旭岳賞H2(2000m外回り)終了時点までは、2着
オヤコダカ以下を8馬身ちぎった“絶対王者”
スーパーステションの独壇場とみられていたわけだが、前哨戦の
瑞穂賞H2に出走せず、その後「休養入り」となったことで一気に「混戦ムード」に変貌した今年の
道営記念H1。
向かうところ敵なし、孤高の2連覇に挑むはずだった絶対王者の不在はやはり残念ではあるものの、前哨戦・
瑞穂賞H2で激しい追い比べを見せた上位3頭(
バルダッサーレ・
ヒガシウィルウィン・
オヤコダカ)に、大井・
黒潮盃SII&盛岡・ダービー
グランプリM1を連覇したこの秋最大の上がり馬
リンノレジェンドらが挑む形のメンバー構成となり、勝ち馬検討の「難易度」が上がったことは間違いないだろう。
前哨戦を制した
バルダッサーレは、今夏この
道営記念制覇を期して門別に転入し、すべて1800mで3連勝。青写真通りに頂上決戦へと駒を進めてきた。今回は2000mに延びるが、そこは同じ2000mの大井・
東京ダービーSIを7馬身ちぎって圧勝した大器。
延長には何の不安もないだろう。陣営は未対戦だった
スーパーステションを破っての戴冠を目指していたはずだが、その戦線離脱で勝利の確率が上がったことは間違いないところ。今回起用された大井・
笹川翼騎手を背に、2019ホッカイドウ競馬の頂点に駆け上がってみせるか。
もう一頭、シーズン途中で南関東から転入してきた大物が、2017年
東京ダービーSI、
ジャパンダートダービーJpnIを連覇し、NAR
グランプリで
年度代表馬に輝いた
ヒガシウィルウィン。
一時期より調子を落とした中で船橋から転入してきたこともあり、門別復帰当初は格下相手にちょっと冴えない内容の走りが続いたものの、徐々に本来の姿に近づき前走・
瑞穂賞H2は4角先頭から踏ん張る
バルダッサーレを半馬身差まで追い詰めた。
今回はより本来の姿に近づいた走りが期待されるわけだが、
JRA勢を撃破した
ジャパンダートダービーJpnIは同じ2000m。距離延長、ロス無く運べる最内枠を利しての頂点奪取が期待される。
瑞穂賞H2では上記2頭に後れをとった
オヤコダカだが、時計の速い不良馬場ということもあって苦手な「上がりの瞬発力比べ」になってしまったのが響いた形だろう。
復調遂げた今季は、流れが不向きだったその前走以外は5戦すべて連対を果たしており、序盤から淀みのない流れになりやすい頂上決戦なら、早めに押し上げて得意の「末脚の持久力勝負」に持ち込むことが可能だろう。
そうした展開に持ち込めれば「悲願」と言っていい
道営記念制覇に大きく近づけるはずだ。今季のリーディングジョッキーを確定させている
石川倭騎手も、長年の相棒
オヤコダカの悲願達成で自ら花を添えたいところだろう。
「上記3強」の高い壁に挑む急先鋒は、今秋最大の上がり馬
リンノレジェンドだろう。
3歳三冠戦線で跳ね返され続けた
リンゾウチャネルが休養中に急速に力をつけ、大井・
黒潮盃SII→盛岡・ダービー
グランプリM1をいずれも完勝で制した「3歳秋のチャンピオン」だ。
9年ぶり史上5頭目の三冠馬
リンゾウチャネルは14日(木)園田の3歳重賞「楠賞」に回ることとなり、ここは3歳で唯一のチャレンジとなるわけだが、当然「健闘以上」の走りが期待される局面だ。
他にも、一昨年の優勝馬で
瑞穂賞でも4着に食い込んだ
ステージインパクト、過去2年連続3着の実績馬
ドラゴンエアルら伏兵陣にも警戒を怠れない組合せとなった2019ラストレース。
発走は20時40分、全国の支持が大きく拡がった2019シーズンを振り返りながら、決戦の刻をお待ちいただきたい。
(文=ひだか応援隊)