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ジオング・サイズだ!!デカ軽いクリソベリル/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年11月29日(金) 18時00分
 ほんの数週間前、やぼ用で音無厩舎に顔を出したら、やたらと馬格に差のある2頭が並ぶ形で厩舎に戻ってきた。

 単純な見た目だけで言えば、まるでメッシとファンダイクのような、もっとわかりやすい表現をするならガンダムとジオングのような、それくらい大きな違い。横にいた中原助手いわく「アードラーも決して小さい馬やないんやけどなあ。あっちがデカ過ぎるわ」。

 確かに横にいたアードラーでも標準サイズより少し大きいくらいの480キロはある馬。それとの比較でも“ジオング・サイズ”に見えてしまうクリソベリルがあまりに規格外過ぎるのだ。そこに存在しているだけで、これほどまでに威圧感のある馬は本当に久しぶり。

 現在、クリソベリルの馬体重は550キロ台と聞いている。絞れることはあっても増えることはないはずなので、1995年スプリンターズSヒシアケボノが記録したJRA・GI勝利の最高馬体重記録(560キロ)を破ることは無理だろう。

 クリソベリルよりもデカい体で走っていたGI馬がいたことに改めて驚いてしまう次第だが、JRAの最高馬体重勝利記録を持つショーグンのそれは626キロ(ちなみに同馬の最高馬体重は640キロ!)で、音無厩舎所属でクリソベリルの先輩にあたるクリーンもマックスで630キロの超が付く巨漢馬だった。そういえば、デカ過ぎてゲートに入らないとか、出にくいとか言っていたような気もするが…。

 そんなクリソベリルなので、地方競馬でも小回りに属する浦和のJBCに出走する話は早い段階で消滅。チャンピオンズCへのひと叩きとして候補に挙がったのは、実際に出走した日本テレビ盃シリウスSだったのだが、そこで選択したのは阪神よりも明らかに小さい船橋のほうだった。

「広いコースのほうが合っているけど、左回りでコーナーが4つの前哨戦はこれしかない。ダート馬は番組の選択肢が芝馬よりも少ないんだから仕方がないんだよ」(音無調教師)

 これ、現在のダート路線が抱えるジレンマではないか。個人的にはそう思っている。記者はトレセンにいるクリソベリルは毎週のように見ているが、京都競馬場を拠点としていることもあり、実はレースをライブで見たことが一度もない。ちなみにゴールドドリームもデビュー2戦目の500万下は見たが、それ以外のレースはすべてテレビ画面の向こう側。ともに近しいはずの栗東所属馬なのに、競馬で走る姿を見ることがない不思議な存在だ。少頭数の2歳重賞を何鞍も作るのなら、ダートの超一流どころが走る番組が、中央にもっとあっていい気もするのだが…。

 もちろん体がデカ過ぎるからといって、走りが重苦しいわけではない。「この血統をやらせてもらってきたことに関しては本当に感謝しかないけど、その中でもこの馬が一番かなあ〜とは思う。デカいけど、走りだすと軽さがあるんだよね」とは担当の浜田助手。

 残念ながら、記者は今回もテレビ画面での観戦になりそうだが、550キロもの馬体重を誇る馬が軽やかに走るシーンを見るため、一人でも多くの競馬ファンが中京競馬場に足を運んでくれることを望んでいる。いや、本当にビックリするくらいデカいんですから!

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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