“泣かない田辺”に注目した先週の阪神JFは、特注馬
マルターズディオサが2着に食い込み△▲◎の3連複(8560円)をゲット。馬券収支もどうにか帳尻を合わせて、年の瀬の一発逆転に望みをつないだ。週明けの美浦トレセンで印象的だったのは、同馬を管理する
手塚貴久調教師が「あの(優勝馬との)5馬身差は決定的なものではない」と
桜花賞の展望を語ったこと。
来春はGII
チューリップ賞を
ステップに栗東滞在で本番に向かうプランを明かしており、「心身ともにまだ変わってくる馬」とは指揮官。そのイメージを重ねるのは同パターンで13年
桜花賞を制した
アユサンだろうか。
さて、今週も阪神では2歳GI=
朝日杯FSが行われるが、実は当方の勝負どころは阪神ではなく、前日の中山マイル戦=GIII
ターコイズSである。過去10年で関東馬が7勝2着5回を数えるだけでなく、11年に121万円、15年には295万円超の3連単が飛び出す大波乱続出の舞台。まさに関東記者が胸を躍らせて取材するにふさわしい一戦だ。
正直、最終的な判断は枠順を見てからだが、現時点で購買意欲をそそられるのが強い4歳世代の一頭
ダノングレース。おそらく今回は人気皆無だが、近3走はすべて明確な敗因がある。
「
福島牝馬S(3着)はスローペースを強気にマクって、結果的に優勝馬
デンコウアンジュをサポートする形に。次走の
クイーンS(14着)は直線ドン詰まりでもちろん参考外。前走の
府中牝馬S(9着)も雨が降った時点で終わったなと諦めましたね」
こう伝えるのは同馬をデビュー時から手掛ける寺本達郎助手。オープン入り後に完全な力負けと言えるレースは一度もなく、54キロのハンデに恵まれた今回が正念場だ。もっともこれまでマイル戦は2戦2敗。これも人気にブレーキをかける材料だが、寺本クンはこう反発する。
「
アネモネS(12着)は稍重だったし、
アルテミスS(8着)も良発表ながら明らかに雨が残る馬場。札幌千五の初陣を快勝したように、パンパンの良馬場ならむしろマイルの決め手比べは合うんじゃないかと思うんです。冬場のほうが食いが良くなる馬で、今回は久々に430キロ台で送り出せそうだし、あとは天気予報が変わらないことですね」
大盛り上がり必至の今年の
グランプリを左うちわで観戦できるかも…。実は当方にすれば今週の国枝キュウ舎次第なのである。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ