実際は次週の
ホープフルSがオーラスであるが、一年を締めくくる総決算のレースと言えばやはりこの
有馬記念だ。今年はファン投票13位以内から10頭が参戦するなど超豪華メンバーが集結し、暮れの
グランプリに華を添えている。
1.内でロスなくが基本
以前は差し・追い込みや3角あたりから動き始めるまくりも良く決まっていたが、路盤が改修された14年以降は基本的にロスなく立ち回った馬が優勢となっている。一昨年8番人気で2着の
クイーンズリング、15年8番人気で1着の
ゴールドアクター、14年ワンツーの
ジェンティルドンナと
トゥザワールドなどは、道中内目追走からロスなく4角を回る形での好走だった。
2.フレッシュさ
過去10年でキャリア15戦以内だった馬は[6-8-3-42]で連対率23.7%、複勝率28.6%と優秀なのに対し、キャリア16戦以上の馬は[4-2-7-84]で連対率6.2%で複勝率13.4%。また、ここ5年中3年でキャリア15戦以内の馬がワンツーしている。
3.JC上位馬は苦戦
ジャパンCと
有馬記念を連続して連対した馬は、過去10年で
ブエナビスタと
キタサンブラックしかいない。いずれもGIをいくつも勝つような名馬であり、そうでない馬にとってはJC好走の反動は軽視できない。東京2400mの成績が中山2500mのそれに直結しにくいという面も当然あるだろう。
ワールドプレミアはデビュー5戦で、少頭数の最内枠だった
つばき賞を除いて全て4角で外に出す競馬をしていたにも関わらず、6戦目の
菊花賞は内から抜け出し快勝。ぽっかり空いたところを狙った鞍上の好騎乗はあったにせよ、好位の内を立ち回る競馬ができたこと自体は馬自身の成長に依る面も大いにあっただろう。今回は相手が一気に強くなるが、レースぶりの成長、キャリア7戦目というフレッシュさ、そしてGI初制覇を果たした勢いを買いたい。