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【フェアリーS】アヌラーダプラ 秘める将来性かなりのモノ/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年01月08日(水) 18時00分
 3日間競馬では芝1600メートルを舞台に、シンザン記念(12日=京都)とフェアリーS(13日=中山)の両3歳GIIIが行われる。昨今はクラシックに向けたアプローチも多様化。一昨年にアーモンドアイシンザン記念Vから桜花賞を制したのは実にセンセーショナルな出来事であった。

 そのシンザン記念には藤沢和厩舎が鞍上ルメールでサンクテュエールを送り込む。「ここでいい競馬をすれば、桜花賞に直行という選択肢もできるだろうね。チューリップ賞だとレース間隔が詰まる。(前年の桜花賞馬)グランアレグリアも2歳GI(朝日杯FS3着)からのぶっつけで勝ったように昔と今では違う。とくに早期デビューできるような馬はローテーションはさほど気にしなくていい」と藤沢和調教師。8月の早期デビューを果たしたサンクテュエールも、過去のセオリーにとらわれる必要はないとの考えだ。

 だとすると、まだ直接的なクラシックホースの輩出には至っていないフェアリーSからも、近い将来に戴冠を実現させる馬が…。2009年にそれまでの2歳暮れ施行の芝1200メートル戦から現行条件に移行されてからは年々、出走馬のレベルが上がっているうえに、ローテ変容の流れも加味すれば、むしろ自然な着地点なのではないか。

 そこで当コラムが注目したのは2戦2勝で駒を進めてきたアヌラーダプラだ。同じ2勝馬でも、シャインガーネット(赤松賞)、スマイルカナ(ひいらぎ賞)、ペコリーノロマーノ(つわぶき賞)とは違い、平場の勝ち上がりではインパクトは少々薄いかもしれないが、2戦とも他馬とはレベルの違いを見せつける内容だった。

 一方で管理する萩原調教師は「まだ危うさが同居している」と話すように、牝馬特有の気性的な難しさも見せている。記者がそれをハッキリ認識したのは9月中山のデビュー戦(芝1600メートル)。いつでも反応してしまいそうな、あり余る道中の手応えを、鞍上の三浦が慎重に慎重を重ねて我慢させ、勝利に導いた。レース後「とにかくホッとしました」と破顔した鞍上。アヌラーダプラの資質の高さと乗り難しさを戦前から十分に知っていたからこそ、まさに緊張から解き放たれた瞬間になったのだろう。

 デビュー勝ち後、11月東京の1勝クラス(芝1400メートル)で連勝を飾ったアヌラーダプラは、どういった成長曲線を描いているのか?

「調教でもレースでも動き過ぎてしまう気性なんですよね。前走はデビュー戦を受けて、テンションとかが課題になっていたので、レースでは後ろから折り合い重視の競馬をしました。道中は極力リラックスさせて…。それでもグッと力んだりするところはあったんですが、直線の脚はやはり能力の高さを感じました」

 前走をこう振り返った三浦は、3日の1週前追い切りに騎乗した印象も語ってくれた。

「体の使い方なんかは上手になっています。初めてまたがった時から、すごく素質を感じていた馬ですから。期待が大きいあまりに神経質になり過ぎても良くないと考えて、とにかく馬のリズムを重視してきました。そのあたりは厩舎のほうでもすごくしっかり調教をしてくれています。この先メンバーが強くなってどうかですが、本当に楽しみ。将来的な可能性? かなりのものだと思いますよ」

 一般的には一度、距離を詰めた馬が、再び距離を戻すことに抵抗を感じる向きもあろうが、「テンションとかはもう大丈夫なのでその心配はない。中山のマイルなら(最初の)コーナーに入るところで折り合いがつく」と、デビュー戦で当舞台を経験したこともあり、自信を見せていた三浦。ご存じの通り、5日の落馬負傷で現時点では引き続き手綱を取れるかは不透明な状況だが…。

 フェアリーSで無傷のV3を決めれば、アヌラーダプラが牝馬クラシックのヒロイン候補に名乗りを上げることだけは間違いない。

(立川敬太)

東京スポーツ

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