地域の名称を使ったレースタイトルのせいもあるのだろうが、
愛知杯を小倉で行ったことがしっくりこなかったように、GII
東海S(26日=ダ1800メートル)が京都で開催されるのも若干の違和感がある。
直線に坂があり、なおかつ東京に次ぐ直線距離(ダート)を誇る左回りの中京から、直線平坦で右回りの京都へ。これだけ条件が替われば、出走馬の走りにも影響を与えることは想像に難くない。こっちの“違和感”のほうが馬券攻略上、重要なのは言うまでもない。
中京→京都替わりがプラスとは言えないのが1番人気濃厚な
インティ。京都で条件戦を2勝しているものの、和田助手は「左回りのほうが折り合いがつけやすい」と漏らす。「速い追い切りをいつも右回りでやっているのもあると思うけど、普段の調教でも左回りのほうが乗りやすい。まあ、本番は次の東京(
フェブラリーS)なんで」と続けたとなると…。
実際、重賞での成績は左回り[2110]に対して、右回り[0002]。他馬の動きにつられてかかってしまい、15着にごう沈した昨年の
みやこSの舞台は京都だった。
一方で、京都開催を喜ぶのは
ヴェンジェンス陣営だ。もともと左回りは走りがぎこちないところがあり、前走の
チャンピオンズC(7着)も直線で手前を替えていなかったという。
「コーナリングの問題でしょうね。稽古でも右回りのほうがスムーズなんです。それに中京はコーナーがきついから、この馬みたいに内を突く器用な競馬ができない馬はしんどい。外をマクったら、さらに外に振られてしまうから」とは担当の大内助手だ。
中距離路線に転じてからは差す競馬に徹しており、全馬の目標になる強力な先行馬
インティの存在は「むしろ流れもそれなりに速くなるだろうし、いてくれたほうが競馬もしやすい」(大内助手)。
前半のペース次第では、
ヴェンジェンスと、これまた京都替わりがプラスに出そうな
キングズガードのワンツー? 昨秋の
みやこSの再現があるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ