1960年の創設から、今年で61回目の施行となる
アメリカジョッキークラブカップ。ラップ的にかなりクセのあるレースで、毎年前半は3勝クラスと同じようなペースで推移し、しかも上がりも速くない。要は前に行った馬が有利ということなのですが、それだとレース全体のレベルとしても3勝クラスと同等ということになってしまいます。
むしろ2勝クラスに近いレベルではないかとさえ考えられ、ともかく別定GIIとしては他に類を見ない不思議なレース。数年に1度、現役最強クラスの超大物も参戦しており、それら大物の半数以上が敗れている事実も含め、過去にはこれが不思議でなりませんでした。
しかし、それは中山競馬場への適性を第一義と考えていたからこその難しさであったのかもしれません。じつはこの
AJCCは、中山重賞としては1、2を争う瞬発戦。中山適性よりも東京適性を重視すべきレースだったのです。
データの残っている1988年以降、
AJCCの出走馬、延べ361頭を“該当レース前に東京競馬場で勝ち鞍を持っていた馬”と“東京勝ち鞍を持っていなかった馬”に分類してみましょう。(※東京施行の1996年、2002年
AJCC出走馬は除く)
勝ち鞍ある馬が[25-22-20-173]で勝率10%なのに対し、勝ち鞍なしは[5- 8-10- 98]で勝率 4%。“東京競馬場で勝ち鞍を持っていた馬”が好成績を残していることは一目瞭然ですね。ちなみに、今年の
AJCCは東京競馬場での勝ち鞍を持っていない出走予定馬が多く、
クロスケ、
グローブシアター、
サトノクロニクル、
スティッフェリオ、
ステイフーリッシュ、
ミッキースワローの6頭が該当。
上位人気になりそうな馬も複数入っていますが、これらの馬は、いくら中山巧者であろうとも
AJCCでは割り引きたいと考えています。距離や競馬場の得意不得意は、初歩のラップ考察。ここからもうひと要素を取り入れるだけで、
AJCCの絞り込みは驚くほど容易なものになってきます。この続きは
ウマい馬券での最終結論にて、ぜひご注目ください。
(文=岡村信将)
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