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インディチャンプ 中山記念参戦の意味は?/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年02月28日(金) 18時00分
 賞金がすべて…というわけではないが、それがモチベーションにつながるのはどこの世界でも同じ。サウジCは新設されたばかりのレースで、伝統ある各国のGIと比較すれば、そこまでの名誉が得られるわけでもない。なのに1着賞金が約11億円というあまりにも豪華な“ニンジン”が効果を発揮したのか、世界中(といっても米国がメインだが)からスターホースが集結。我が国からもダート界の「ツートップ」クリソベリルゴールドドリームが遠征を敢行している。

 JRAは今回の状況をどのように考えているのだろうか?以前、矢作調教師から「世界中のスターホースを各国で取り合う時代が来ている」なんて話を聞いたことがあるが、フェブラリーSを蹴った前述の2頭だけでなく、アーモンドアイを筆頭とするドバイ遠征組は、翌週の大阪杯を選択しても適性に問題のない馬ばかり。それでもリスクの伴う遠征に踏み切っていく。「賞金=名誉」が日本のGIに不足していると言わんばかりだ。

 そんな話の流れから中山記念インディチャンプへの展開。一見、無関係に思えるかもしれないが、このレース選択こそが海外競馬で勝つための大事な布石だと記者は考えている。

 仮に安田記念の連覇を狙うのであれば、昨年がそうだったようにマイラーズC経由が現実的。微妙な距離1800メートルで、初のコーナー4回を試す理由はどこにもない。

「これまでも(ハミを)かんでしまうところがあったし、最初のコーナーで行きたがってしまうようでは厳しい。逆にコーナーで息が入り、折り合いもつくようなら、この条件でも決め手を発揮できるかもしれない。まあ、やってみないとわからないことが多いけどね」と音無調教師のトーンもそこまで高くは…。

 では、適性が微妙な一戦で復帰する意味はどこに?トレーナーによるとインディチャンプは「前哨戦では結果を出せず、本番になるとグッと良くなる」タイプ。実際、安田記念もそうだったし、マイルCSも同様だった。ただし、トレーナーが口にした「本番」は連覇のかかる安田記念ではなく、香港のチャンピオンズマイル(4月26日=シャティン、芝1600メートル)。そう、昨年の香港マイル7着のリベンジだ。つまりインディチャンプも日本のGIではなく、海外のGIにプライオリティーを置いている。

「前回はゲートボーイを付けなかったんだけど、それは練習してみたときにインディチャンプが怖がるような面を見せたから。でも、実戦では他の馬がゲートボーイを付けるので、結局は似たようなことが起こってしまうだろ?これはもう練習するしかない…となったわけ」(音無調教師)

 トップジョッキーは、ほぼ顔を出さない金曜のトレセンに、ゲート練習のためだけに福永がやってくる状況も、すべては香港を考えてのもの。結果が求められているのは今週末ではなく、2か月先の本番だったりする。

「ゲート練習をしているためか、以前よりも扱いやすくなっている」(小林助手)なんて“副作用”も耳にしているが、それでもインディチャンプの馬券で勝負するのは今週末ではないよな…と思ってしまう。もちろん、マイルCSで歓喜をもたらしてくれた馬。そんな解釈を一蹴する走りを期待してはいるのだが…。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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