スマートフォン版へ

【勝負の分かれ目 弥生賞ディープインパクト記念】馬場の悪い内を避けた武豊騎手の好騎乗で、サトノフラッグがクラシックの有力候補に

  • 2020年03月08日(日) 18時30分
 今年からディープインパクトの名がつけられた、第57回弥生賞ディープインパクト記念のゲートが開いた。

 出走馬11頭のなかで唯一のディープ産駒である1枠1番のサトノフラッグは、他馬と横並びのスタートを切った。鞍上の武豊は、正面スタンド前で少しずつサトノフラッグを馬場の傷みの少ない外へと誘導して行く。1コーナーに入るときには、7枠8番のワーケア、9番アラタの直後につけていた。

「初めて跨ったのですが、馬上からの眺めがディープインパクトに似ていました。走りそうだな、と」と武。

 向正面で馬群はやや縦長になった。サトノフラッグは後方4番手を、引っ張り気味の手応えで進んでいる。1000m通過は1分1秒1。重馬場であることを考えると、平均ペースといったところか。

 サトノフラッグと先頭との差は10馬身ほど。3コーナーを回りながら馬群は凝縮されていく。サトノフラッグは外からグーンと差を詰め、ラスト600m地点では先頭を5馬身ほどの射程にとらえていた。

「3コーナーから馬が自分から上がって行った。お父さんと同じような感じでしたね。思い出しました」と武。

 持ったままで進出したサトノフラッグは、オーソリティの外に併せて4コーナーを回り、直線へ。

 手前を左に替えると、さらに四肢の回転を速め、先頭に立った。

 ラスト200mを切ってから、武の左ステッキが軽く3発入ったが、最後の3、4完歩は流すようにして、2着を1馬身3/4突き放してゴールを駆け抜けた。

ディープインパクトの産駒でこういうレースに出られるのは、あと何回もないので、勝ちたいと思っていました。良馬場なら、もっといいと思います。非常に楽しみな馬ですね」

 歴代最多の弥生賞8勝目、同時に、自身の34年連続重賞制覇という偉業を達成した武は、そう話した。終始馬場の傷んだ内を避けて走らせ、なおかつ相手となるワーケアをマークしながらレースをするという、さすがの騎乗だった。

 3連勝で重賞初制覇を果たしたサトノフラッグは、一躍、クラシックの有力候補となった。

 2着に敗れた1番人気のワーケアは、3、4コーナーで前が壁になり、やや窮屈になる場面があったものの、ラスト400mからは目一杯追うことができていた。

 2、3着が、昨年のホープフルステークスの3、5着馬という結果からも、サトノフラッグの実力は、額面どおりに受け取っていいだろう。

(文:島田明宏)

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す