メンバー中2頭のダート
グレード勝ち馬の1頭、
アナザートゥルースが逃げ切り勝ち。2馬身差で
ウェスタールンド、さらに4馬身離れて3着に
サウンドトゥルー。4着以下はさらに離れて、人気どおりでもあり実力どおりの結果。1、2着はスローに流れた道中の位置どりの差だった。
逃げ馬不在のメンバーで、やや押して出して行った
ヤマノファイトがそのまま逃げるかと思ったが、外から
アナザートゥルースが労せずして先頭へ。まったく楽なペースでの逃げに持ち込んだ。前半1000m通過が65秒8。14秒2、13秒7と、もっともラップが落ちた400mを挟んで、後半1000mは12秒台のラップが続いて62秒9というペース配分。中団よりうしろ、10番手を追走した
ウェスタールンドは3コーナー手前からロングスパートで仕掛けていって、上り最速の37秒2を計時したが、時すでに遅く、さすがに届かなかった。
勝った
アナザートゥルースは、
ルメール騎手のペース配分も見事だったが、今回はとにかく展開に恵まれた。過去のレースを振り返ると、2着だった
浦和記念では出遅れ最後方から。3着だった
名古屋グランプリは勝負どころ3コーナーからのペースアップで遅れをとってしまった。5着だった
川崎記念は向正面中間でペースが上がったところで置かれてしまった。
こうして見ると
アナザートゥルースは脚の使いどころが難しく、スローに流れての瞬発力勝負では分が悪い。ちなみに、勝った
アンタレスSは、スタート後の激しい先行争いには巻き込まれず7番手あたりから。その後は12秒台の平均ラップで流れ、瞬発力勝負にはならず長く使える脚が生きた。今回はスローペースではあったが、早めに攻めてきたのは
サウンドトゥルーだけ。前述のとおり残り1000mからペースアップして長く脚を使った。6歳で重賞2勝目、今後も2000m以上の距離で展開次第とはいえそうだ。
2着だった
ウェスタールンドは展開的なこともあったが、地方より中央で能力を発揮するタイプかもしれない。今回が初の地方で、ダートで2000mを超える距離も初めて。一昨年の
チャンピオンズCから前走昨年の
チャンピオンズCまで4戦連続で1800mを使われていた。一昨年2着に好走している
チャンピオンズCがそうであるように、コーナー4つの中距離で、道中あまり息が入らず厳しいペースで流れるレース展開は、地方ではほとんど望めない。地方でそういう流れになる可能性があるとすればコーナー4つの1400m戦だろうか。
スローペースを早めに察知した
森泰斗騎手の
サウンドトゥルーは、1周目のスタンド前で先頭から3馬身と離れていない4番手まで位置取りを上げた。3コーナー過ぎで
アナザートゥルースをとらえに行ったが、手応えの差が違ったのは年齢的なこともあっただろう。結果的に勝ち馬から6馬身差の3着は勝ちに行ったぶんで、その着差ほど能力差はないように思える。
中団を追走した
ジョーダンキングはペースアップしたところで前との差を詰められず、見せ場をつくれないまま8着。ここまで中央のGIIIを3戦して、着順はともかく0秒6差以内とそれほど差のないレースをしていたが、今回は長丁場で能力差以上に着差が開いてしまった。