先週行われたチューリップ賞とともに桜花賞へと向かう重要なステップレース。1着から3着馬までに桜花賞への優先出走権が付与される。ただし、過去10年間でこのレースをステップに桜花賞を勝った馬はレーヌミノルただ1頭。本番桜花賞との関連性は高くない。同じ阪神競馬場でも外回り1600mと内回り1400mの差は大きいというべきか。

　◎マテンロウディーバの母ライトニングパールは、2歳牝馬による芝6ハロンの英G1チェヴァリーパークSの優勝馬で、同じく愛国の2歳重賞G3ラウンドタワーSにも勝っている。その母ジョコンダも輸入されており、不敗のまま皐月賞に駒を進めたサトノクラウンを産んでいる。早い時期から大人びたレースができる血統だ。馬格に恵まれなかったのは残念だが、ディープインパクト産駒らしい瞬発力がある。注目の良血馬だ。

　○クーファイザナミも同様だ。こちらも小柄なディープインパクト産駒。紅梅Sは痛恨の出遅れで早めに脚を使わざるを得ない展開になりながらもゴール前はしぶとく伸びた。母イーデンズコーズウェイはジャパンC2着で輸入種牡馬パラダイスクリークの半妹で、祖母ノースオブエデンは名種牡馬シアトリカルや日本で活躍したタイキブリザードのきょうだい。こちらも楽しみな血統馬だ。

　▲ヤマカツマーメイドは、重賞5勝馬ヤマカツエースの半妹。ファンタジーS4着、阪神ジュベナイルフィリーズ5着と同世代のトップクラスの馬たちを相手にしてきたキャリアは武器になりそうだ。

　同距離の万両賞のレコード勝ち含め、阪神芝1400mコース2戦2勝の△カリオストロもヒシアマゾンのひ孫という血統。△アヌラーダプラの母ポロンナルワはシンハライト(オークス、桜花賞2着)、リラヴァティ(マーメイドS、チューリップ賞3着)の半姉だ。前走だけで見限ることはできない。芝1200mで4戦3勝△ケープコッドは、前走を見る限りやや忙しい印象だった。ファンタジーSは案外だったが、改めて1400mに期待したい。抑える競馬もできそうな△ヴァラークラウンや、過去2戦は敗因がはっきりしている△ルーチェデラヴィタまで名前を挙げておきたい。