「
フィリーズレビュー・G2」(15日、阪神)
5番人気の
エーポスが重賞初制覇。名手・岩田康の好リードに導かれ、中団のインから直線鮮やかに突き抜けた。2着に2番人気の
ヤマカツマーメイド、3着には12番人気の伏兵
ナイントゥファイブが入り、上位3頭が
桜花賞(4月12日・阪神)の優先出走権を獲得。1番人気の
カリオストロは果敢にハナを切ったが4着に敗れた。
ニューヒロインの誕生だ。フルゲート18頭で争われた混戦を制したのは、5番人気の
エーポス。テン乗りの岩田康が才女の新たな魅力を引き出し、鮮やかな“直線一気”でゴール板を貫いた。
発馬で後手に回ったが、二の脚鋭く中団へ。ここで名手の勘が働く。行きたがるパートナーをなだめ、3角手前で手綱を引いた。「ペースが速いと思って抑えました。馬自身が息を入れてくれたので、いい感じで運べましたね」と岩田康。ここが勝負の分かれ目に。インで息を潜め、直線勝負にかけた。
ラスト1F。鞍上が
ゴーサインを送ると、わずか1頭分の狭いスペースをこじ開ける。そこから、次位に0秒7差をつける断トツの上がりを繰り出し、先に抜け出した
ヤマカツマーメイドを並ぶ間もなくかわし去った。
ベテランは左手で力強く
ガッツポーズ。「人気馬を見ながら、どこでも割っていけるだけの脚は残っていましたし、いい脚を使ってくれましたね。すごい勝負根性を見せてくれました」。今季重賞初制覇。桜切符を手に入れ、額の汗を拭った。
戦況を見守った北出師は、してやったりの表情だ。「5番枠で、岩田君。脚さえたまれば、ああいう競馬も想像できた。テン乗りだったので、彼もいろいろなことを感じたみたい。それを次の本番に生かしたいね」。
この勝利で、
桜花賞は
紅梅Sを制した
ヒルノマリブとの2頭出しに。
阪神JF組が主力を形成する桜戦線。別路線から挑む北出勢が“台風の目”となりそうだ。
提供:デイリースポーツ