「
阪神大賞典・G2」(22日、阪神)
春の天皇賞を見据え、古馬の一線級が激突する。データ班が導き出した答えは、メンバー唯一のG1馬
キセキだ。17年の
菊花賞を制覇。その後は勝利こそないが、G1の舞台で常に上位争いを演じている実力馬。久々Vで勝利の感触を思い出し、春のG1シリーズへ弾みをつけたいところだ。
メンバー中ただ一頭のG1馬。
天皇賞・春をにらむ始動戦で
キセキが意地を見せる。
17年
菊花賞以来、長く勝っていない。それでも、力は示してきた。18年ジャパンCは
アーモンドアイの2着。逃げてペースをつくり、驚異の世界レコードを演出した。昨年は
大阪杯、
宝塚記念と連続2着。
凱旋門賞では7着と、日本馬最先着を果たした。
ただ、前走の
有馬記念は5着。出遅れが響いて流れに乗れなかった。「スタートの時点で先頭と6馬身ほどの差があった。それを思えばよく差を詰めている。スムーズなら2着争いをしていたんじゃないかな」とは清山助手だ。
今年は長距離路線でG1を狙う。「前走で騎乗したライアン(ムーア)が“跳びが大きくてエンジンのかかりが遅いから、距離が延びた方がいい”と言うので」と理由を明かした。不良馬場の
菊花賞を制したようにスタミナは豊富。仕上げ人は「ポジションはどこでもいいし、今は掛かるところもない」と不安なしを強調した。
前走後は早めの入厩でここへ備え、1週前追い切りは栗東CWで攻め抜いた。「絞る目的もあるし、距離も3000メートルなのでハードに。
凱旋門賞を境にパワーアップしているし、乗った感覚よりも速い時計が出る」と進化し続ける姿に胸を張る。
「持っている力を発揮すれば結果はついてくる。早くトンネルから抜け出したい。ひとつ勝てば変わると思うんだ」-。価値ある一勝をつかみ取る。
提供:デイリースポーツ