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【大阪杯】ブラストワンピース 2つの最良選択でここを復帰戦に/特捜班

東京スポーツ
  • 2020年04月01日(水) 18時00分
 ジェットコースターのように評価が乱高下している馬がいる。ブラストワンピースだ。3歳の身で一昨年の有馬記念を制して一気に頂点に立ったはずが、昨年の大阪杯では1番人気を裏切る6着敗戦。凱旋門賞遠征でも大惨敗を喫した。果たして歴史に名を刻むスーパーホースになり得るのか否か…。運気が変わったかのように「最良の選択」を重ねて、たどり着いた第64回大阪杯(4月5日=阪神芝内2000メートル)こそが、まさに“最適解”を出さなければならない舞台だ。

 ブラストワンピースを所有するシルク・ホースクラブが、大阪杯への出走をホームページで発表したのが先月6日。コロナ禍はまだ現在のような危機的状況ではなく、中距離路線で活躍する日本馬の目標レースは、ドバイ国際競走を筆頭に、オーストラリアのクイーンエリザベスS(4月11日)、香港のクイーンエリザベスII世C(4月26日)など、選択肢が数ある中での決断だったわけだが…。

 その後、情勢は激変する。開催中止でレースを走ることなく帰国を迫られたドバイ遠征組、それに伴い騎乗機会を失ったルメール(帰国から2週間の自宅待機)…。開催の現実味と人馬への検疫問題、さらには相手関係を加味すれば、大阪杯へという判断が結果的に「最良の選択」になったことは間違いなかろう。

 さらにさかのぼれば、もうひとつ「最良の選択」をしている。それは昨秋にチャレンジしたフランスの凱旋門賞(11着)後の復帰初戦に、年明けのアメリカJCCを選んだことだ。

 ともに仏遠征したフィエールマンキセキ有馬記念に出走し、4、5着止まりに終わったのに対して、見事に復帰戦を勝利。馬自身のメンタル面をはじめ、大一番へと臨むにあたって、この違いは果てしなく大きい。

「過去を振り返ると、海外遠征帰りの馬は大半が厳しい競馬を強いられていますよね。なので、そこはスムーズにクリアできたのかな、と。昨年は昨年と割り切れる、いい区切りとなる競馬ができた」(大竹調教師)

 凱旋門賞で勝ち馬ヴァルトガイストから実に5秒2も離された大惨敗を喫した後。後遺症も心配されたところだが、まさに最高のリスタートが切れた。となれば、あとは昨年のリベンジへ向けて、「最良の状態」に仕上げるだけだ。

 26日の1週前追い切りでは南ウッドで6ハロン81・1-11・6秒をマークして、堂々の併せ先着。これには帰キュウ後初めて南ウッドで追われた際(19日)に「ドタドタしていた」と不満を隠さなかった大竹師も「(併せた)相手も動く中で、3〜4角でいつもはモタつくのに、むしろ(手綱を)押さえていたくらい。そこはかなり良かった。全体的に遅く見えても時計も出ていたからね。いい傾向だと思う」と確かな手応えをつかんだ。

「昨年の大阪杯はポジションが後ろになった上に、流れもスローになってしまったから…。札幌記念を勝っているわけだし、2000メートルの距離に関しては、むしろベストに近いかなとも思っています」

 凱旋門賞(2400メートル)→アメリカJCC(2200メートル)、そして2000メートルの大阪杯。段階的にベストの距離と状態へ。あとは答えを待つだけだ。
「昨年は1番人気に支持していただいたのに…。本当に悔しい思いをしました。また人気になるでしょうし、今年こそはいい競馬を…」

 軽々に勝ち負けを口にはしない大竹調教師だが、令和競馬史の先駆けとなる名勝負の先にある、栄冠を信じているに違いない。 

(立川敬太)

東京スポーツ

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