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ワグネリアン藤本助手「僕、この一戦に懸けてますから」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年04月03日(金) 18時04分
 個人的に最も馬券を買いたい条件を挙げれば、実力馬が実力通りに走ってくれることが多い東京のダート戦。しかし、記者の担当している厩舎、懇意にしている関係者は、芝の中長距離を得意にしていることが多く、その最高峰のGIが迫ってくると、こちらとしても無駄に気持ちが高ぶり、投資額もつい増えてしまう。

「僕、この一戦に懸けてますから」

 正直、展開に左右されることも少なくない阪神内回りのGIは観戦料程度にとどめたい。しかし、ワグネリアンを担当する藤本助手から前出のような言葉を聞いてしまうと、数枚の野口英世は財布にしまい、福沢諭吉先生に登場をお願いせねばならなくなる。まあ、ネット投票オンリーの現況では、スマホにおける投資額の桁数を変更するだけの話なのだが…。

「戻ってきたときの馬体に余裕があったので、それこそ“動物虐待か!”とツッコミたくなるくらいのレベルでハードに攻めてます(苦笑)。1週前は速い時計で走らせたかったので、あえてポリトラックを選んでの追い切り。先行させた馬と離れ過ぎた地点からのスタートだったので、前を捕まえ切れなかったけど、動きそのものはすごく良かったですよ。乗ってくれた(藤岡)コータ騎手も“バツグン”と言ってましたから」

 昨年は4戦して未勝利。もちろん、それぞれのレースに敗因があったわけだが、特にもったいなかったのは4着に終わった札幌記念だという。

「自信のなかった大阪杯(3着)と違い、札幌記念は本当に状態が良かったんです。以前から前で競馬をしてほしいと思っていて、実際にダービーではそれが成功したわけじゃないですか。位置を取ってくれた乗り方も理想通りだったんですけどね。まさか道中で落鉄してしまうとは…。本当に運がない。現代競馬で直線一気なんてスタイルはなかなかハマらないと思っていますし、それをイメージして中間はゲートも出している。年間に何度も走る馬ではないので、悔いの残らない競馬をしてほしい」

 この発言の意味するところは、ワグネリアンのイメージにあまりない積極策。好位抜け出しを決めるダービー馬の復活に歓喜し、こちらも福沢諭吉先生が数人から数十人に増えて万々歳。

 これで今回のコラムは終了の予定だったのだが、一時は完全に“見限った”はずの先輩ダービー馬マカヒキの雰囲気が、この中間はやたらと良く見える。特に久しくパンとし切れなかった腰の部分が近年にないほど“いい状態”に感じるのだ。

「戻ってきたときの雰囲気がすごく良かったし、乗ったときの感触も悪くなかったんで“あれ、意外にええやん”と(笑い)。レースまでにもうひと絞りできたら最高ですけど、ホンマに悪くないですわ」と前川助手。

 担当していた大江助手がドバイ遠征に帯同→自主隔離状態のため、現在のマカヒキの調整を任されている“代打”がゆえの気楽さが前向きコメントを誘発しているのかもしれないが、これがプラスに働くような気も。

「この馬はゲートが問題なんでしょ? それなら直前にビシッといきましょうかね。ピリッとしてくれるかもしれへんし」

 もちろん、積極調整が成功しない可能性も考えられるが、マカヒキは友道厩舎史上で現在も“ナンバーワン”であり続ける存在だ。しかも、この馬なら福沢先生に登場していただく必要もない。

「本紙予想」の立場的にはワグネリアンだが、当日の財政状況次第では“マカヒキ全力応援”になるかもしれない。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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