桜花賞が行われる阪神競馬場は、先週からBコースを使用しています。内回りに関しては内枠・先行有利が顕著で、外回りに関しては若干、前が有利という感じでした。それゆえ、大外ブン回しで直線だけの勝負というのはつらいかもしれません。
時計もそれなりに速めですが、
オルフェーヴル産駒の活躍が目立ったように、ある程度スタミナやパワーといったものは求められる印象です。このあたりの傾向を踏まえたうえで、
桜花賞に出走を予定している有力馬について馬体面を中心に考察していきたいと思います。
まずは、昨年の2歳女王
レシステンシア。
チューリップ賞のときはトモの良さが目に付きましたが、精神面での気負いも目立ちました。それまでのレースでの立ち振る舞いと比べると、気配としてはイマイチでした。レースでもその面を鞍上が気にして折り合い重視をした結果、瞬発力勝負になって敗れてしまいました。ただ、本番に向けては良いガス抜きになったと思います。
今回の立ち写真を見るとトモの張りが格段に強化され、背中からのラインも強化されています。無駄肉も取れ、スッキリとしていますし、脚を長く見せるようになりました。顔つきも穏やか。速いラップで刻む競馬が合っているだけに鞍上もピッタリ。強い競馬を見せてくれそうです。
リアアメリアは今回、阪神JF以来のレースになりますが、仕上がりは万全。皮膚を薄く見せて鋼鉄のような素晴らしい筋肉が付いています。とくにトモの筋肉の質などから見受けられるように、これだけの強靭さを感じさせる筋肉は牝馬離れしています。
オークスは決まりかなというレベルの印象ですが、ここは馬場的に合うかどうかでしょう。
クラヴァシュドールは背中が短く、胴がゆったりしたス
トライドが伸びるつくりです。ツナギが柔軟で、時計勝負への対応も可能。前走時よりも格段に筋肉が強化され、張りツヤも抜群。非常に良いデキといえるでしょう。条件もピッタリで、良い競馬ができそうです。
続いて、
マルターズディオサ。常に良く見せる馬で今回、毛ヅヤこそ明るさの関係でそれほど良く見えませんが、腹の線が締まってトモの厚みも増しているように順調に良くなっています。背中もしっかりしてきましたし、これまで通り、好勝負は必至でしょう。
ディープインパクト産駒で、しなやかな馬体の
ミヤマザクラ。要所要所にしっかりと筋肉が付いていて、とくに腰から飛節にかけてのラインに力強さがうかがえます。蹄は立っていますが、道悪はうまそうです。手先が軽く、良馬場の瞬発力勝負でも問題ないでしょう。
デアリングタクトはダートもこなせそうな力強い馬体で、父の
エピファネイアによく似ています。後肢の可動域が大きく、それを動かすトモや飛節も非常に力強い。胴がゆったりしていて、距離はもっとあっても良いくらいです。あまり馬場が軽いと分が悪そうですが、ある程度パワーの要る馬場なら上位争いが可能でしょう。
サンクテュエールは
シンザン記念以来のレースとなりますが、写真を見るともう少しトモの張りが欲しい印象。ただ手先が軽く柔軟で、無駄のないつくりなのでこれくらいのほうが良いかもしれません。器用さがあるタイプで、枠を生かした競馬ができそうです。
非常にレベルの高い一戦。馬場次第でチャンスがある馬が多いですが、先週の馬場傾向などを踏まえると、ある程度前に付けられてコーナーで内目を回せる馬のほうが良さそうです。結論は
ウマい馬券で。
(文=古澤秀和)