アイルランドにある障害専門の競馬場パンチェスタウンが、平地競馬の開催を模索していることが明らかになった。
政府が全ての
スポーツイベントの開催自粛を要請したことを受け、アイルランドの競馬統括団体のHRIは今月初めに今季(19/20年)の障害シーズンの打ち切りを発表。4月28日から5月2日まで開催が予定されていた、アイルランド障害シーズンの掉尾を飾るビッグイ
ベント「パンチェスタウン・
フェスティヴァル」も消滅することになった。
19年のパンチェスタウン・
フェスティヴァルは、5日間で12万6840人を動員。競馬産業界だけでなく、周辺地域への経済効果を含めると、開催消滅は6400万ユーロ(約76億円)もの経済損失に価するとの試算が出ている。これを取り戻すには競馬を開催するしかないのだが、例年通りの日程だとパンチェスタウンにおける障害開催は10月まで予定がない。それでは、競馬場の経営も地域経済も成り立たないと考えたパンチェスタウンが、アイルランドにおける競馬が再開された暁には、平地開催を行いたいとの意思表明を行ったのだ。
2002年10月以来18年振りとなるパンチェスタウンの平地開催が実現するかどうか、競馬の再開時期とともに、その動向が注目されている。
(文:合田直弘)